岩国市議会 > 2020-09-10 >
09月10日-04号

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  1. 岩国市議会 2020-09-10
    09月10日-04号


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    令和 2年 第5回定例会(9月)令和2年第5回岩国市議会定例会会議録(第4号)令和2年9月10日(木曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)令和2年9月10日(木曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│   件                           名   │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(30人) 1番 河 合 伸 治 君 11番 姫 野 敦 子 君 21番 細 見 正 行 君 2番 越 澤 二 代 君 12番 丸 茂 郁 生 君 22番 石 本   崇 君 3番 桑 田 勝 弘 君 13番 小 川 安 士 君 23番 石 原   真 君 4番 中 村   豊 君 14番 長 岡 辰 久 君 24番 山 本 辰 哉 君 5番 田 村 博 美 君 15番 大 西 明 子 君 25番 桑 原 敏 幸 君 6番 中 村 雅 一 君 16番 片 岡 勝 則 君 26番 貴 船   斉 君 7番 矢 野 匡 亮 君 17番 広 中 信 夫 君 27番 藤 重 建 治 君 8番 武 田 伊佐雄 君 18番 松 川 卓 司 君 28番 松 本 久 次 君 9番 重 岡 邦 昭 君 19番 藤 本 泰 也 君 29番 植 野 正 則 君10番 広 中 英 明 君 20番 瀬 村 尚 央 君 30番 片 山 原 司 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            杉 岡 匡 君       教育長            守 山 敏 晴 君       水道事業管理者        辻 孝 弘 君       審議監            村 田 光 洋 君       総務部長           高 田 昭 彦 君       危機管理監          廣 田 秀 明 君       総合政策部長         加 納 健 治 君       基地政策担当部長       山 中 法 光 君       市民生活部長         野 村 浩 昭 君       文化スポーツ担当部長     藤 本 浩 志 君       環境部長           藤 村 篤 士 君       健康福祉部長         児 玉 堅 二 君       保健担当部長         木 原 眞 弓 君       地域医療担当部長       山 田 真 也 君       産業振興部長         穴 水 千 枝 美 君       農林水産担当部長       槙 本 新 次 郎 君       建設部長           木 邉 光 志 君       都市開発部長         山 中 文 寿 君       建築政策担当部長       坂 上 政 行 君       由宇総合支所長        佐 々 川 周 君       玖珂総合支所長        塩 屋 伸 雄 君       周東総合支所長        中 原 健 登 君       錦総合支所長         沖 晋 也 君       美和総合支所長        上 尾 浩 睦 君       会計管理者          村 上 和 枝 君       教育次長           三 浦 成 寿 君       監査委員事務局長       村 重 政 司 君       農業委員会事務局長      中 西 亮 二 君       選挙管理委員会事務局長    宇 佐 川 武 子 君       水道局次長          竹 嶋 勇 君       消防担当部長         冨 岡 英 文 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         樋谷正俊       庶務課長           髙村和恵       議事課長           鈴川芳智       議事調査班長         福本和史       書記             河村佳之       書記             佐伯浩則       書記             福永啓太郎――――――――――――――――――――――――――――――午前10時 開議 ○議長(藤本泰也君)  所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりであります。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(藤本泰也君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、29番 植野正則君、30番 片山原司君、1番 河合伸治君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(藤本泰也君)  日程第2 昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。 14番 長岡辰久君。 ◆14番(長岡辰久君)  皆さん、おはようございます。日本共産党市議団の長岡辰久です。学校では10時というのは2時間目で、学習するには一番いい時間帯です。議員に選んでいただき折り返し点になりました。市民の負託に応えられるようわかりやすい言葉でしっかり質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 さて、8月28日、安倍首相は突然辞意を表明しましたが、2006年9月から2007年9月までは、戦後レジームからの脱却を掲げた第一次安倍自公政権でした。国会で戦後レジームの意味を問われた安倍首相は、憲法を頂点とした、行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交・安全保障などの基本的枠組みを意味すると答弁しております。 戦後レジームからの脱却――教育の分野では、2006年10月10日、教育再生会議を発足させ、2006年12月22日、教育の憲法である教育基本法の改悪、2007年4月、全国学力テストの実施、2007年7月、教員免許更新制の導入など、戦後の民主教育の解体を、反対を抑え実行いたしました。安倍氏の言う戦後レジームからの脱却、つまり教育再生とは、戦前の教育勅語に基づく教育の復活であります。最終目標は憲法を変えるということでございました。 2001年、育鵬社の教科書が登場します。各地の教育委員会が――この岩国市も採択をいたしましたが、保護者・教員の反対を押し切り採択をしています。推進した勢力は祝賀会を開いております。そこに安倍首相はこんなメッセージを寄せています。「日本人の美徳と優れた資質を伝える教科書が今後4年間で25万人の子供たちの手に届くことになったことは、教育再生の基盤となるもの」、つまり育鵬社の教科書を採択することは教育再生になるとメッセージを送っているわけです。育鵬社の教科書は極めて政治的であることがおわかりだと思います。 それでは、通告に従い質問いたします。 1番、教育問題について。(1)教科書採択について、(2)学校の平和教育について。 2番、基地問題について。(1)FCLP実施のための馬毛島施設整備計画について、(2)昭和町藤生線の進捗状況について。 以上で、壇上からの質問を終わります。よろしくお願いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。 長岡議員から具体的な質問事項はございませんでしたが、趣旨だけお聞きしましたので、こちらのほうである意味膨らませて答弁をさせていただきますことを御理解いただきたいと思います。 それでは、第2点目の基地問題についてお答えします。 まず、FCLP実施のための馬毛島施設整備計画についてでございますが、馬毛島につきましては、これまでFCLPの恒久的な訓練施設の候補地とされており、昨年12月、国がその過半の土地を取得され、先月7日には、馬毛島の施設配置案や整備スケジュールが示されたところであります。 国からの説明によると、馬毛島においては、2本の滑走路や訓練施設、駐機場施設、飛行場支援施設等が整備される予定となっております。 その中には、FCLP実施時に米軍要員が宿泊するための宿舎を整備することが含まれ、FCLPの訓練期間中、空母艦載機は馬毛島に駐機し、人員も島内に宿泊するため、日々、岩国に戻る運用にはならないとされております。 また、整備スケジュールについては、現在実施されている現地調査の結果を踏まえ、本年の秋ごろから環境アセスメントの方法書の手続と環境現況調査が実施される予定であり、方法書・評価書などの公告、縦覧等の環境アセスメントの手続を経て、その後、工事となるとされております。 工事は、全体として、おおむね4年程度の工期を想定しており、早期の運用開始を目指し、最低限必要となる施設については先行して完成させることを目指すとされております。 このたび、馬毛島におけるFCLP訓練施設の整備に当たり、宿泊施設が整備されると明らかになったことは、馬毛島での訓練期間中、岩国基地への帰還がなくなり、今後の騒音に対する市民の不安や懸念の軽減につながるものと認識しているところであります。 現時点において、工事着手の時期などは明確に示されていませんが、市としましては、今後とも進捗状況の把握や情報収集に努めるとともに、山口県との連携のもと、一日も早い施設整備に向け、引き続き国に対して働きかけをしてまいります。 次に、昭和町藤生線の進捗状況についてお答えいたします。 昭和町藤生線は、昭和15年に新港尾津線として都市計画決定し、その後、数回の計画変更を経て、平成12年の都市計画の変更により、現在は昭和橋交差点南詰の昭和町三丁目から中国電力株式会社の旧岩国発電所前の藤生町一丁目までを区間とする、延長が7,570メートルの都市計画道路となっております。 この道路は、昭和21年に始まった戦災復興の土地区画整理事業に合わせて、起点側の東地区から整備が始まり、平成20年に岩国基地正門前までの整備が完了しており、現在は約2,940メートルが供用を開始しております。 基地正門前から南側の門前川左岸までの約400メートルの区間については、平成23年度から、防衛省の補助事業の採択を受け、昭和藤生線改良事業として、事業に着手しているところであります。 この区間においては、計画幅員を18メートルとする片側1車線の2車線道路を整備し、両側に歩道を設け、車道と歩道の間には植樹帯を設置する計画としております。 これまで、基地正門から南側の約50メートル区間の用地買収等を実施し、今年度は、基地正門前の交差点付近において、新しく取りつける道路を安全に機能させるための測量と概略設計を行う予定であります。 また、議員御承知のとおり、昭和町藤生線の基地内ルートを含む、その周辺の基地内提供区域について、平成8年から提供区域の変更による返還要望を行っております。 米軍所沢通信基地の東西連絡道路の開通が、米軍の用地返還により、44年の歳月を経て実現したということは承知しておりますが、それぞれの地域において抱えている課題も異なっていることから、交渉に要する時間もさまざまであると認識をしております。 約5ヘクタールの用地の状況につきましては、この用地にあったペリースクールの移転後、学校関連の建物の解体とアスファルト舗装の撤去が行われ、更地となり、本年2月に整地が完了しております。 この用地については、早期に、かつ、市民が有効に活用できることが重要と考えていることから、返還という選択肢だけでなく、共同使用も視野に入れ、現在、国を窓口として、協議・調整を行っております。 また、先月末に、山口県基地関係市町連絡協議会において、中国四国防衛局に要望のため赴いた際にも、改めて、この約5ヘクタールの提供区域の返還と民生利用の早期実現について要望したところであります。 市としましては、昭和町藤生線の基地内ルートにつきましては、今後も引き続き、国と連携し、協議を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第1点目の教育問題についての(1)教科書採択についてお答えいたします。 本年度は、令和3年度から4年間使用する中学校用教科用図書を採択する年となっており、採択結果については9月1日に公表したところです。採択に至るまでの諸会議、手続等につきましては、規則にのっとり公正に進めてまいりました。 また、本年度の採択に係る事務手続において、改善すべきところとして御意見をいただいていた中で、対応することが可能なものについては、改善させていただきました。 具体的な改善点について、2点御説明させていただきます。 まず、1つ目は、県教育委員会作成の選定資料等の取り扱いについてです。 従来、県が作成した選定資料等については、教育委員や採択地区協議会委員用の参考資料とするものと研究調査員用の参考資料とするものに分けておりましたが、本年度は全ての資料を教育委員、採択地区協議会委員、研究調査員に6月初旬に配付いたしました。 2つ目は、教科書展示会来会者意見用紙の取り扱いについてです。 昨年度まで、意見用紙につきましては、採択を行う教育委員会会議においては全期間のものを配付し、選定を行う採択地区協議会においては協議会前日までのものを配付しておりました。本年度は、選定を行う採択地区協議会の日程を調整し、採択地区協議会の段階で全期間の意見用紙を見ることができるようにいたしました。意見用紙につきましては、教科書展示会最終日の翌日または翌々日には、全教育委員及び全協議会委員に配付しております。 次の教科書採択は、小学校が令和5年度、中学校が令和6年度となっております。今後も教科書採択に係る一連の手続においては、厳正かつ公正に取り組んでまいります。 次に、(2)各学校の平和教育についてお答えいたします。 小・中学校における平和に関する教育については、学習指導要領に基づき、児童・生徒の発達段階に応じて行われております。例を挙げますと、小学校社会科の目標には、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を育成することが示されております。また、中学校道徳科の内容にも、世界の中の日本人としての自覚を持ち、他国を尊重し、国際的視野に立って、世界の平和と人類の発展に寄与することが示されております。 また、本市は広島県と隣接していることもあり、小・中学校の校外学習において、広島平和記念資料館や原爆ドームを訪れ、戦争の悲惨さや平和のとうとさを考える機会を設ける学校も多くあります。 さらに、現在、小学校では社会科の副読本として、教育委員会が発行する「わたしたちの岩国」を使用しておりますが、現在編集作業中の「令和3年度版 わたしたちの岩国」では、昭和20年8月14日の岩国駅周辺の空襲についても取り上げることとしております。空襲の被害の様子を知るとともに、そこから町を復興した人々の思いを学ぶことで、平和な世界について考え、よりよいまちづくりに主体的に取組む態度を涵養することができると考えております。 教育委員会としましては、児童・生徒が平和の大切さや命のとうとさについて学ぶ機会が充実するよう、引き続き支援してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、順不同で再質問をいたします。 まず、各学校の平和教育についてお伺いいたします。 答弁の再質問の前に認識を共有したいと思いますので、基本的なことをまずお伺いいたします。 まず、平和教育の目的について、学校で平和教育を行う根拠は何でしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  先ほど言いましたように、学習指導要領によると、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を育成するということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  では、学習指導要領というのは何に基づいてつくられておりますか、教育長。 ◎教育長(守山敏晴君)  日本国憲法、また、教育基本法であります。 ◆14番(長岡辰久君)  憲法、教育基本法に基づいて学習指導要領――上位法ですからね、憲法、教育基本法に基づいて平和教育がなされなければならない――なされなければならないというか、やっているわけです。 それでは、平和教育で教えなければならないことは何でしょうか。平和教育の目的です。もう一度お答えください。 ◎教育長(守山敏晴君)  世界の平和というのが大前提でありまして、その中において、小さなものでいったら自分たちの存在とか暮らし、あるいは他者を思いやるとか、いろんなところを思いやりながら世界の平和――きのうもSDGsとかESDとかありましたけれども、そういったものが全て平和教育に通じるものと考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、平和教育の題材というか、教材というか、あると思うんですよ。それをどのようにお考えですか。何をもって学ぶのかということについて。 ◎教育長(守山敏晴君)  それはもういろいろな資料があります。岩国市においては岩国市独自のものもありますし、先ほど言いましたが、戦争でいえば隣の広島県では原爆についてのことがあります。また、先ほど言いましたように、昭和20年8月14日ということもありますけれども、戦争だけでなくて、日々の平和についてどのように捉えるかということや、学級でも多様性やお互いの存在を認めながらどう対応していくかということ自体も平和教育だと考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  それでは、平和教育の目的とか、何をもってやるかという認識が大体一致しましたので、壇上での答弁に対して質問いたします。 小学校の社会科副読本「わたしたちの岩国」で、今度新しく8月14日の岩国駅前周辺の空襲が復活したことは、私は歓迎すべきだと思いますけれども、平成19年からなかったわけです。ないんです、「わたしたちの岩国」には岩国空襲のことが載っておりません。なぜ復活させたのか、このことについてお答えください。 ◎教育長(守山敏晴君)  今、教育委員会のほうでは、自己肯定感や他者肯定感、また地域肯定感というものを学んでいこうということを進めております。その中において、地域それぞれの伝統や歴史やそういったことも、限られてはおりますけれども、学んでいこうという中において、市全体のことについて、また8月14日の空襲について、これも学んでいくということも大事であると考えております。 また、去年、東小・中学校の工事のときに不発弾が出たということがありましたが、東小・中学校ではそのときの空襲の写真を展示して、昔はこういったこともあったんだということも含めながら、今の平和のありがたさについても教育するということもございました。そういったことも含めて、そういった内容も大事であるということで取り入れたということであります。 ◆14番(長岡辰久君)  岩国空襲について私も調べてみました。何と9回も岩国空襲はあったそうでございます。今、図書館に岩国空襲についての関連の本が3冊ありました。私、全部読みましたけれども、「空襲の時代を生きて」という本を岩国空襲を語り継ぐ会というのが編集されております。その中に、7月24日の柱島・黒島空襲のことが載っておりました。私は知らなくて申しわけなかったんですけれど、その中にこういうふうに書いてあるんです。「小学校1年生から4年生の子供が先生に引率され防空壕に逃げるのを追っかけた。敵機は壕に250キロ爆弾を投下させて全滅させた。また、船の上の漁師を見つけて機銃掃射、段々畑の農夫を目がけて機銃掃射、婦人は段々畑を転がる、もはや戦争ゲームである」と、このように書かれておりました。このようなことを絶対にさせてはいけない。この本の中の言葉で、磯野元教育長がこのように書かれております。「戦争の時代、それはある世代の記憶ではなく、日本社会の記憶として、社会全体の中で繰り返し継承していかなければならないのではなかろうか」と、このように書かれております。私も全く同感でございます。このようなことで平和教育がなされるのではないかと私は思っております。 あの戦争を二度と繰り返してはならない。これが、皆さん、平和教育の原点だと思うんです。原点というよりは、平和教育というのはそこを目指してやらなければならない。ですから、あの戦争はよかったということでは――よかったこともあるということはとても言えないと思うんです。今、私、柱島・黒島の空襲のことを読みましたけれど、あのようなことを二度と起こしてはならない。このことが書かれているのが、皆さん、日本国憲法ではないでしょうか。日本国憲法の前文にはこのようにありますよね。政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意している。このことを子供たちに涵養していくというか、これが私、平和教育の目的ではないかというふうに思っております。 そして、平和教育というのは何も子供たちだけにやるものではありません。平和教育は、社会教育を通じて進めなければならないと私は思っております。その面でいくと、戦争の遺跡、戦争の跡の――例えば岩国駅前の空襲時のことが、今、乙女の像に書いてあります。例えば広島に行きますと原爆ドームがあります。そしてそれを見ると、原爆はやっぱりやってはいけないというように思うわけです。広島の己斐駅――西広島駅をおりたところには、パネルが張ってあります。写真があってそこに説明が書いてあります。そのような戦争遺跡を、ぜひもっと広くやる必要があるのではないかというように思っております。 それで御提案でございますが、岩国駅前だけではないというのは今、私言いましたけれど、9回あったということ――もちろん戦争の遺跡というのはそれだけではありませんけれども、表口――まあ西口には戦争遺跡というか思い出す物があります。ぜひ東口にこそ、この写真の――今度、「わたしたちの岩国」に多分写真が掲載されるんだと思いますが、その写真をパネルか何かの形であらわして、東口にはこのようなことがあったんだということをぜひ知らせていくような物をつくっていただけないかと、このことをちょっと私提案したいと思いますが、いかがでしょうか。
    ◎教育次長(三浦成寿君)  先ほど壇上でも教育長が申しましたように、学校教育のほうでは子供たちに平和教育をきちんと行っております。また、議員が今おっしゃいましたように、社会教育分野でも平和に関する学習といいますか、そういうものも大切だというふうに認識しております。 そういうこともあって、岩国の史実を伝えるというような意味では、岩国徴古館でもそういったシリーズの展示会を行ったことがありますし、図書館のほうでも終戦記念日に合わせてここ3年ぐらい、この岩国関係の空襲等をシリーズで紹介をさせていただいたりということも行っております。このような形で広く市民の皆様にも知っていただく機会をつくっていきたいと思っています。今、岩国駅前周辺にそうした戦争の遺跡を設置するという考えはありませんので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  これはまた後でゆっくりやりたいと思いますが、実は国会の議事録を調べてみますと、同じような趣旨の質問があるんです。平成27年9月15日、参議院議員藤末健三君が平和教育の一層の充実に関する質問をしておられます。平和教育を、頑張らなければいけないのではないかということをこの藤末さんが質問したわけです。それに対して、内閣総理大臣の安倍晋三氏がこのように答えています。「大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。そして日本国憲法の平和主義について理解を深めさせる」と、このように答弁しているんです。 そして、戦争を風化させてはいけないということについての質問に対しても、「この世代のことを継承する、そしてこの戦争遺跡のことについてもやらなければいけない」と、国会で答弁をしております。 ぜひ、今、教育次長は言われましたけれど、突然私がこうやって提案しましたので、ここで即答というのは難しいと思いますので、ぜひそのことも検討していただきたい、このように思います。 それでは、次の質問に移ります。教科書採択についてです。 6月の定例会で教科書採択についてお伺いいたしました。育鵬社の教科書は、史実がきちんとなっていない、そして戦争を美化するところもある、ここを私は言いたいわけです。だからどうでしょうかということを言いました。その結果採択になったわけですけれども。 例えば、史実ということでいいますと、私びっくりしたんですが、どんどんどんどん歴史の研究を進めてくると変わってきますが、私は、江戸時代の身分制度について、士農工商ということを学びました。しかし、今は士農工商はないというので、武士と農民、そして町民というふうに研究を進めた結果、こうなっているんです。こういうことも生かしていないということをまた私は言ったわけですけれども。 それでは、具体的な質問をいたしたいと思います。育鵬社の教科書、新聞報道によると、多くのところが採択をやめているというのを聞いております。やめているところ、具体的にちょっと言っていただけますか。(発言する者あり)今回取りやめたところです。 ◎教育長(守山敏晴君)  県内では、防府市がやめられているのと、下関市が新しく採択されたということを聞いております。 ◆14番(長岡辰久君)  全国では、今まで採択をしていた横浜市、それから大阪市、呉市、そして愛媛県の松山市、新居浜市、四国中央市、それから県立、そして府立の学校がありますが、岩国市でいえば高森みどり中学校です。そういう県立の学校がありますが、そこでやめているのが東京都、愛媛県です。そして、今までは6.5%ぐらいの採択率でございましたが、この調子でいくと、今言いましたけれど、1%にも満たないというような状況になっております。 今、教育長が言われましたけれども、防府市は採択をやめました。中国地方でいえば、山口県だけが採択をしているわけです。岩国市、そして下関市、そして県立の中学校だけなんですよ、中国地方では。 防府市を調べてみますと、教育再生首長会というのを前市長・松浦氏が立ち上げ、そして自分が会長になって防府市では採択をしている。今度は市長さんがかわられました。私、極めて政治的な判断だというふうに、これを見ると思えるわけです。 それでは具体的に言いましょう。市民からの意見用紙を採択に使用したんだということを教育長は言われました。それでは具体的に何枚ありましたか。アンケートというか記録した物です、それを言ってください。何枚ありましたか。(発言する者あり)アンケート、(「何人」と呼ぶ者あり)何人でいいです。 ◎教育長(守山敏晴君)  103人、今回意見をいただきました。(「100……」と呼ぶ者あり)103人であります。 ◆14番(長岡辰久君)  私、情報公開をいたしまして、きのうの昼休みにいただきました。ここに資料があります。私の調べではちょっと違いますけれども、私の数で100……、書いていない人もいますけれど、110人になります。そのうち、育鵬社がいいよ、あるいは育鵬社はだめよと書かれた方がいらっしゃると思うんです、何人ですか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  私も中身は確認はさせていただいているんですが、その内容まで集計をするという作業は行っておりませんので、ちょっと件数についてはすぐお答えできる状況にありません。 ◆14番(長岡辰久君)  私が数えたのでは、32人が「育鵬社はだめよ」と書いておられます。そして、2人が「いいんじゃないですか」というふうに書かれております。 市民の意見を参考にする、このように言われました。どこが、どのように参考にしているのか私わかりませんが、どうでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  今回委員の皆さんに、先ほど言いましたように配りまして、1週間弱ですけれども、読む期間を持っていただきました。その読まれたものも参考にしながら、また今回、会議のときも、こういう体験があるけれども、こうであるということを言われながら話をされているという方もいらっしゃいますし、私も当然意見は読ませていただきましたけれども、それをもとに考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  驚きましたけれども、採択委員が12人いらっしゃいます。この資料をいただきましたので読みました。ある委員――これはある委員としか言いようがないんです、名前がないんだから。公開しないんだから。ある委員はこういうふうに言っています。「教科書展示会に来られた方はたくさんの意見を書かれている。展示会が終わって速やかに冊子にしてくれた、届けてくれた。ありがとうございます」と。それで、どちらがいいかということについて――つまり育鵬社と東京書籍が残ったわけですけれども、「ほかの委員の皆さんの意見を聞けたことは大変参考になった。きょうの協議会に持ってきた自分の意見と比べてみることができた。展示会で集められた御意見が大変参考になったことは間違いないが、最終的には改めて育鵬社を推薦したい」と、こうやって書いてある。文脈がおかしくないですか。(発言する者あり)御意見が大変参考になった。32人が育鵬社はだめよと書いている。 それで、やはりこういうことが起こるというのは、教育長に対して戦争を賛美しているのではないかと私が言ったら、首を横に振られましたけれど、ではほかの教科書はどういうふうに書いているかと――これはもちろん検定に通った教科書でございますよ。検定に通った教科書がどのように書いているか。もちろん教育長は専門でございますので。育鵬社の教科書には、大東亜戦争についてこういうふうに書いてある。「アジア独立への希望。要するにアジア独立の希望を与えたのが大東亜戦争だ」と、こういうふうに書かれているんです。 それに対して清水書院の教科書には、このように書かれています。ちょっと長くなりますけれど、「大東亜戦争と名づけた。占領地の民衆にもそうした宣伝を行った。また、1943年には日本の占領政策に協力するアジア各地の指導者を集めた大東亜会議が東京で開かれた。そこで人種差別の撤廃や新しいアジアの秩序をうたった宣言が採択された。このような宣伝はアメリカやイギリスと対抗するために進めたものであったが、長らく欧米諸国の植民地支配に苦しんでいたアジアの諸国の間では日本の主張に期待を抱いた人々もいた」。ここからが大事です。「しかし、日本の軍政は占領地の民衆を苦しめた。占領地の民衆の政治参加は限定的で、将来の独立を確実に約束したものではなかった。もちろん日本軍への批判や反抗は許されず、それぞれの民族の独立、独自の文化も尊重されなかった。一方で、日本の指導者として会うことや日本語の教育が進められた。日本軍の、占領地での食料や物資の確保は実態としては略奪であった場合も少なくなく、戦争を遂行するための施設の建設などの仕事に現地の人を強制的につかせることもあった。このため、初めは日本軍を解放軍として歓迎した民衆や政治指導者も、後には日本を新たな支配者と捉えるようになり、占領地では抗日運動が繰り広げられた。また、日本への協力を続けながらも、ひそかに完全な独立を目指してその準備を続けた政治指導者もいた」。これは清水書院でございます。検定に通っております。全然違うんですよね。(発言する者あり) これで長くなる――ちょっとこれだけでやることはできませんので。やっぱりあの戦争はまずかったという平和教育を進める、このことをやるのと、この育鵬社の教科書を採択して授業をやる、これはちょっと矛盾しているのではないかと私は思います。教育長は採択委員6人のうちの1人でしたので答弁を求めませんけれど、このように思います。 次に移ります。FCLPのことについて。岩国市はFCLPを認めておりませんが、なぜ認めていないんですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  ジェット戦闘機のFCLPは、激しい騒音が発生するということを経験的にも我々――平成12年でございましたが、そういった記憶がございます。こういったこともございましたので、これについては認めないという姿勢を掲げているところでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  大変な被害がある、だから認めないんだと、こういう答弁でございました。 では、馬毛島は西之表とどのぐらい離れているんですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  国の説明では、約12キロメートル離れているということを聞いたことはございます。 ◆14番(長岡辰久君)  私、通津に住んでおります。岩国基地から直線距離でいうと――ちょっと直線距離を測ったことがありませんが、12キロメートル前後です。当時はNLPと言っておりました――夜間着艦訓練をNLPと言っておりました。本当にひどくて、夜中にあって逃げ場がない。冬でございましたので、押し入れに逃げようか、それとも布団をかぶろうか、かぶっても全然関係ない。これぐらいひどい。だから岩国基地ではFCLPはやらないんだ。認めていないんだという答弁でございました。これでよろしいですよね。 それでは、馬毛島のFCLPの実施とあるのですが、8月7日に、今、市長も言いましたけれども、報道通知が出ております。このように書かれています。同じような答弁でしたのでいいです。「今後とも、市といたしましては、県と連携のもと、一日も早い施設設備に向け、国に対し働きかけてまいります。」と、このように書かれております。このように書いていますね。報道されている。要するに、県と一緒にやるんだ、馬毛島に早くつくってもらいたいんだと、こういうことをやりますよというんです。 それから、西之表市の市長さん、どのように言われていますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  8月7日に国から、この馬毛島の現時点の施設整備がわかる状況について説明があったわけでございますが、今、おっしゃいました西之表市のお立場、我々はこれについて明確に国からの説明を受けたわけではございませんけれども、地元の理解ということ、その辺の必要性があるということは国からそういったお話はあったかと思います。 ◆14番(長岡辰久君)  南日本新聞社はこのように書いています。実は、これインターネットで見られます。私も見ましたので。「馬毛島問題 西之表市、防衛省に40項目質問書「施設配置案具体性に欠ける」」と。西之表市は、人口約1万人の小さい市なんです。種子島にあるんですが、大変小さい市でございます。しかし、次のように、西之表市の八板市長は、「具体的な設置案を示すことなく、環境影響評価(アセスメント)を急ぐ防衛省に不信感を覚える」と指摘しています。「賛否両方の市民の視点から、疑問点を挙げた。地元の理解が必要というのなら、防衛省には丁寧な回答を求めたい」と、このように言っているんです。 そこに岩国市は早くやってよと言っているんです。これ、私の認識違いですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  国がこういった防衛施設を新たに設置するに当たって地元の理解を得ていこうとする姿勢、これは当然であると思います。 我々としては、我々がその馬毛島ということを求めたわけではございません。市としては、FCLPの恒常的な訓練施設の早期の整備ということを国に対して求めた経緯はございますが、馬毛島――今、候補地でございますけれども、そこらは国の判断の中で、選択の中で決められたものでございますから、ここについて我々が関与するところではございません。 ◆14番(長岡辰久君)  私たちが関与するものではないと言いつつ進めるんでしょう。国と一緒に進める。このように報道通知に書いてあるじゃないですか。今、市長も答弁したでしょう。 ちょっと、私、先に言わせてください。「今後とも、市といたしましては、県と連携のもと、一日も早い施設整備に向け、国に対し働きかけてまいります」、こういうふうに報道通知も書いてあるし、答弁で何と言ったか。そこに答弁書があるから、市長も間違うことはないと思うんです。答弁書には何と書いてあるか。県との連携のもと、一日も早い施設整備に向け、引き続き国に対して働きかけてまいりますと答弁しましたよ。答弁したでしょう。 ◎市長(福田良彦君)  確かに先ほど、県と連携のもと、整備に向けて国に働きかけをしてまいるという答弁をいたしました。 国のほうでそういった説明をされることによって、空母艦載機等が馬毛島で訓練し、宿舎等ができれば、日々、岩国基地に帰還することもない。そういうことは、騒音の軽減につながるということは歓迎すべきだということでありますので、そういった部分について岩国市の騒音の軽減のために早く整備をしてもらいたいということを意味しております。 また、岩国市は決して、馬毛島で整備をしてほしいということは一言も言っておりません。本市は、恒久的なFCLP施設を国が早く選定して整備してほしいということを長らく訴えてまいりまして、国が馬毛島に候補地を絞っていろんな手続を踏んできたわけであります。 それと、大事なことは、なぜ馬毛島にこの施設を整備するのか、これは、自衛隊施設を整備する必要性であります。日本を取り巻く状況を御案内……(「聞いていない」と呼ぶ者あり)大変厳しさがあります。(「聞いていない、今のは」と呼ぶ者あり)その中で、陸・海・空の自衛隊の訓練活動を行い得る施設、そして、(「聞いていない、時間をとるな」と呼ぶ者あり)行う施設……(「質問時間をとってはいけないよ」と呼ぶ者あり)あわせて、米軍空母艦載機のFCLPの施設が必要だというそういった説明を受けておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆14番(長岡辰久君)  今の市長の非常に――国会の安倍さんじゃありませんが、質問されていないことに長々と答えて質問時間を削る――同じじゃないですか、いけませんよ。 1つ言わせていただくと、今、馬毛島ということを求めてはいないと言ったけれど、国と一緒に進めてまいると言っているじゃないですか。 それで、岩国ではFCLPはだめだと言って、西之表市の馬毛島でやってくださいと進める。これは、道義的にどうなのかということを言っているわけです。答弁は求めません、長くなるから、求めない。求めないと言っているじゃないですか。 昭和町藤生線について、あと10分ですから、まず、認識を共有したいんです。認識を共有したい。まず、昭和町藤生線というのは、岩国市は開通は必要と思っているんですか、どうですか。そして、それを阻んでいるのは何か、それを解決するには、突破するにはどうすればいいか、この3点について答えてください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  昭和町藤生線につきましては、我々としても一日も早い開通を目指して努力をしているという趣旨で答弁をしたつもりでございますので、議員と全く同じ考えであるということを、まず申し上げておきたいと思います。 それから、何が阻んでいるのかということですが、これは、市長が壇上から最後のほうに答弁いたしましたが、基地内ルート――ルート上に基地がある、いわゆる提供区域があるわけですから、そこの返還あるいは壇上からは共同使用も視野に入れるという答弁をいたしましたけれども、そういったことをやっていかなければ、当然、道路というのは通せませんから、そういった協議も必要であるということでございます。 ◆14番(長岡辰久君)  ちょっと興奮して申しわけなかったですが、落ちついていきたいと思います。 私も、これ、びっくりしたんですけれども、2020年5月15日の平和新聞に、所沢基地を貫く東西連絡道路が開通したという記事を見つけたんです、実は。それで、これはすごいなと思って、ちょっと調べてみました。 所沢の東西連絡道路のことについて、やはり知らない方が多いと思いますので、このことついてちょっと説明してください。なぜこれが開通したのかということを、どうぞ答えてください。説明してください。 ◎市長(福田良彦君)  先ほど私が壇上で、議員から質問がないのに、つい答弁をしてしまいましたが、(「次へ移っていますよ」と呼ぶ者あり)所沢の連絡道路、これは、44年の歳月を経て実現したということで、それらの地域においてもいろんな課題があるということでありますが、やはり、交渉に要する時間もさまざまであるというふうに認識しております。 ◆14番(長岡辰久君)  交渉もさまざまであると言われました。 私が聞きたいのは、所沢はどのようにして、どのような方法で東西連絡道路をつくることができたのか、説明してください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  どのような方法かという質問ですが、どのような次元でお答えするかですけれども、この基地の返還について、私も、ある程度、所沢の状況というのは把握をしてまいりましたけれども、やはり、所沢市としてこの基地の返還というのを大きなスローガンとして取り組んでおられるということは、我々として把握をしました。 昭和43年に基地対策協議会を設置されまして、官民挙げての大きな運動であったと――岩国でいえば沖合移設に匹敵するようなそういったレベルで取り組んでこられた、運動をしてこられた。いわゆるスローガンとして取り組まれた結果、1次返還、2次返還、3次返還を経て、ことしの3月に、4次の返還としてかかる道路整備ができた、そういった大きな経緯があったということは、私としても把握をしてございます。 ◆14番(長岡辰久君)  所沢基地は、通信施設なんです。所沢では、この東西連絡道路の開通で4回も基地を返還しているんです。 それでは、この基地を返還する――米軍基地を返還するにはどうするのか、返還するときはどうなのかということは、何という法律にどのように書いてあるのか、読んでください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  返還に関する法律のお尋ねでございますが、まずは日米地位協定に返還に係る規定というのはございます。返還された場合の処分の方法については、国有財産法とか財務省の通達、こういったものがあるということは承知してございます。 ◆14番(長岡辰久君)  日米地位協定の第2条に書いてあります。私は読んでくださいと言いましたけれども読まれませんでしたので、私が読みます。 日米地位協定第2条第2項、「日本国政府及び合衆国政府は、いずれか一方の要請があるときは、前記の取極を再検討しなければならず、また、前記の施設及び区域を日本国に返還すべきこと又は新たに施設及び区域を提供することを合意することができる。」と。次の第3項が大事です。「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。」――「ならない」と書いてあります。「合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」と書いてあります。 それでは、所沢の通信施設、これ、要らなくなったのか。そうじゃないんです。今、使っている施設をわざわざ動かして、そして東西連絡道路をつくっているんです。これぐらいの熱意――岩国市と雲泥の差じゃないですか。何か言いわけがありますか。 ◎審議監(村田光洋君)  まさに今、日米地位協定第2条を読まれましたけれど、米軍が必要でなくなったらというところなんですけれど、御承知のように今まで、あの地域にはペリースクール、そういったものが、支障物件がございました。所沢はみずから市や県がお金を出して、その支障物件を移転させ、莫大な費用をかけたというふうに承知しておりますけれど、これは、岩国の場合は国の予算で、そのペリースクールを移設して、今、やっと更地になったということで、これまでは、昭和町藤生線は、少しずつ進んで基地のメーンゲートまで行きましたけれど、その先にはいろんなペリースクールであるとか、そういった基地の施設――これは、米軍がまだ使用中でしたので、なかなか、その先の協議が進まなかったのですが、これからは、今、なくなって更地になりましたので協議を進めていきたいというふうに考えております。 ◆14番(長岡辰久君)  今、昭和町藤生線は必要だということも答弁いただきました。そして、今、所沢の通信基地において東西連絡をやったということを言いました。 私、今こそ岩国市の行政側にPDCAサイクル――よく、私たちもPDCAサイクルが必要だと言われました。PDCAが今こそ必要なのは、そちらじゃないですか。いつまでプラン――もうプランができているんですよね。Doで――もっと言えば、答弁の中で何と答えられたか。これ、私、情報公開請求しましたけれども――まだ、こっちが届いておりませんけれど、先日8月末に山口県基地関係県市町連絡協議会で中国四国防衛局に要望に赴いた際にも、改めて、昭和町藤生線に係る約5ヘクタールの提供区域の変更及び民生利用の早期実現について要望したとありました。要望したところ、何という返事がありましたか、言ってください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  ここでの要望につきましては、市のこれまでのさまざまな安心・安全対策、それから、地域振興策があります。また、岩国市だけではなく、和木町、それから、周防大島町、もちろん県の要望もございます。そういったものを包括的に要望しておりまして、その中で、今の5ヘクタールの返還につきましても要望してございます。 私どもとしては要望すると同時に意見交換もさせていただいておりますが、このときの要望では、この点につきましての中国四国防衛局からの回答はございませんでした。 ◆14番(長岡辰久君)  このときはなかった…… ○議長(藤本泰也君)  時間になりました。 ◆14番(長岡辰久君)  以上で終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、14番 長岡辰久君の一般質問を終了いたします。 30番 片山原司君。 ◆30番(片山原司君)  市政改革クラブの片山原司でございます。通告により一般質問を行います。今回は、3点お尋ねいたします。 1点目は、中山間地域振興に関する施策について、2点目は、岩国市地域防災計画について、3点目は、錦川出合水位局についてお尋ねいたします。 まず、1点目の中山間地域振興に関する施策についてお尋ねをいたします。 中山間地域の振興に関する施策や状況については、本市の条例により、毎年、議会に報告するようになっております。いろいろな施策により地域振興を図っておられますが、令和元年度の公共交通の利便性の向上支援について、非常に高額な運賃を負担している地域がございます。 具体的には、岩国~柱島航路の70歳以上の高齢者は、柱島・端島・黒島に住んでいなければ往復運賃3,700円以上の負担となります。里帰りもままなりません。また、錦川清流線では、錦町駅から岩国駅までの往復運賃約2,300円となり、70歳以上の高齢者が、岩国駅前や愛宕山の病院に通う場合は、朝1番か2番目の早い列車に乗らなければ、時間的に病院に間に合いません。この時間帯には支援はございません。 このことを解決する支援についてお尋ねいたします。 2点目の岩国市地域防災計画についてお尋ねいたします。 先般、防災士資格取得試験のときに、地域防災計画について出題がありました。岩国市においては重要な項目は全て掲載してございましたが、その中で、食料供給計画の非常食の在庫についてお尋ねいたします。各地区の在庫量をお知らせください。 また、災害時の避難場所への逃げおくれゼロを実現するために、自主防災組織の活用と防災アドバイザーの育成・増員が必要であると考えます。今後のお考えをお示しください。 3点目の錦川出合水位局についてお尋ねいたします。 昨年の9月定例会の一般質問で取り上げましたが、錦川流域で、錦町の出合橋下流の出合水位局が氾濫危険水位を示し、下流への水害を心配しましたが、災害にはなりませんでした。しかし、出合水位局の危険水位で地域の人に不安が広がりました。 本年8月の大雨のときも、出合水位局が危険水位と発表され、同様の不安を与えました。現状では、この場所のみ氾濫危険水位となることが多く、地域の人々に疑問が出ております。前回、山口県の対応を質問いたしましたが、その後の対応状況をお答えください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、片山議員御質問の第2点目の岩国市地域防災計画についてお答えいたします。 まず、(1)食料供給計画(特に非常食)についてでありますが、本市におきましては、災害用の備蓄食料等の主なものとして、五目御飯類が約2,000食、缶詰パンが約700缶、飲料水が約2,900リットルなどを備蓄しております。 これら備蓄品の主な保管場所ごとの状況につきましては、川下防災備蓄センターにおいて、御飯類を約600食、かパンを約500缶、飲料水を約300リットル保管しております。また、いわくに消防防災センターにおいては、飲料水を約400リットル、そして、各総合支所におきましては、御飯類を約1,400食、パンを約200缶、飲料水を約1,500リットル、それぞれ保管しております。 また、自主防災組織などにおける備蓄の状況については、美川自主防災会が御飯類を約600食備蓄されているというふうに伺っており、その他の団体等においても、避難訓練の際などに備蓄食料等を使用されていることは承知しております。 仮に、大規模災害の発生時などにおいて流通状況の悪化等により食料が不足する状態となった場合には、国や山口県の支援を初め、防災協定を締結している事業者から食料品や生活用品の支援を受けられることになっております。 市としましては、こうした物資が届くまでの間は、あらかじめ市が備蓄している物資により対応することとなるため、今後におきましても一定量の備蓄を保持してまいります。 次に、(2)自主防災組織における防災リーダーについてでありますが、現在、本市では29の自主防災組織が設立され、一部の組織においては定期的に防災訓練を行い、講師を招いて防災研修を行うなど、自主防災活動に積極的に取り組まれております。 これら自主防災組織は、災害時における自助・共助のかなめであり、市としましては組織の育成に努めていかなければならないと認識しているところであります。 そうしたことから、自主防災組織に対する補助金制度について見直しを行い、平成29年度までは、防災用品等の購入に対し上限20万円で購入費の半分を補助していたものを、平成30年度からは、防災意識の向上に寄与する活動に対して上限20万円でその費用の3分の2を補助することといたしました。 また、本市における自主防災組織には、避難情報の発令時において災害弱者を助け、逃げおくれる方のないようにすることを期待する一方、自主防災組織の役員は短期間で交代することが多いという課題もあることから、その課題を解消するため、組織内で中心的に活動する防災リーダーを育成する必要があります。 そのため、令和元年度から、自主防災組織を通じて防災士の資格を取得する場合、資格取得に係る費用を全額助成することとし、その結果、昨年度は4人の方が防災士の資格を取得されました。 今年度は、新たに作成した岩国市防災ガイドブックを活用し、自主防災組織の目的や本市の避難情報発令の考え方などを理解していただくため、防災リーダーや自主防災組織の役員の方を対象とした研修会を11月に開催する予定であります。 また、昨年度から開始した岩国市災害対策本部即時対応体制訓練に自主防災組織にも参加していただき、災害対応力を向上させるとともに、消防組合や消防団などの災害対応機関との連携を強化していただきたいと考えているところであります。 市としましては、地域の自主防災組織に対するこうした支援を継続していくことにより、災害時における逃げおくれゼロを目指してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(杉岡匡君)  第1点目の中山間地域振興に関する施策についての(1)錦川清流線と岩国~柱島航路を維持するための支援についてお答えいたします。 本市の中山間地域振興基本計画では、主要な課題の一つに公共交通サービスの整備を掲げ、錦川清流線、バス、離島航路など生活交通の維持に努めるとともに、地域住民の日常生活を支えるため、地域の実情に応じた公共交通サービスの整備を進めていくこととしております。 具体的な施策の一つといたしましては、公共交通の利便性の向上を図るため、市民に欠かせない交通手段である、錦川清流線と岩国~柱島航路を維持するための支援を行うこととしております。 そうしたことから、令和元年度では、錦川清流線と岩国~柱島航路の維持確保と安定的な経営を図るための補助金を交付するとともに、小学生を対象とした錦川清流線と岩国~柱島航路の乗り方教室を継続して開催し、利用の促進を図ったところでございます。 現在、岩国~柱島航路に関しては、70歳以上の島民を対象とした岩国市渡船料金助成制度により、年間48枚の渡船利用券を交付しており、令和元年度では130人の方に対し、決算額として667万1,000円を支出している状況でございます。 また、錦川清流線では、利用時間帯が10時から15時30分までに限られますが、錦町駅から岩国駅までの往復運賃の2,340円を約半額の1,200円に割り引く「昼得きっぷ」が錦川鉄道株式会社から販売されており、令和元年度では1,209人が利用され、118万1,000円の収入があったと伺っております。 市におきましては、公共交通を利用する高齢者に対し、さまざまな利用料金の助成を行っておりますが、議員御案内の岩国~柱島航路に関しては、島民以外の方に向けた助成制度は実施しておりません。 また、錦川清流線においては、「昼得きっぷ」が利用客の少ない時間帯を設定したものであることから、高齢者が通院に利用される朝の早い時間帯の便を利用するためのプラン設定とはなっていない状況でございます。 議員御提案の、高齢者を対象とした岩国~柱島航路や錦川清流線の新たな助成制度のあり方については、航路や路線を維持するためにどのような方策がいいのか、今後、他自治体の第三セクターに関する状況も調査しながら、岩国柱島海運株式会社、錦川鉄道株式会社や関係部署と協議を行い、検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  第3点目の錦川出合水位局についての(1)出合水位局の氾濫危険水位についてお答えします。 氾濫危険水位は、内閣府の避難勧告等に関するガイドラインでは、避難勧告の発令基準とされています。 各河川に設定された水位局における氾濫危険水位などの基準水位は、国土交通省が定めている危険水位及び氾濫危険水位の設定要領に基づいて設定されることとなっており、錦川の出合水位局の基準水位は河川管理者である山口県により定められています。 出合水位局は、その受け持ち区間を宇佐川合流点から舟津までとし、他の水位局と同様に、区間内で流域沿いの家屋や資産の状況から洪水時に相当の被害が想定される地点において、危険な水位となったときからの避難に要する時間、いわゆるリードタイムの確保等も考慮して設定されています。 現在の出合水位局の基準水位は、国の危険水位及び氾濫危険水位の設定要領の改訂を受け、平成27年4月に見直しが行われ、現在の氾濫危険水位は4.9メートルと定められています。しかし、現状として氾濫危険水位を昨年度で3回、本年度においては既に5回超えています。 昨年、議員からこの件に関する御質問の後、山口県と協議を行ったところ、水位観測データ等の確認を行った上で、氾濫危険水位など、現在の基準水位を維持することとなりました。 いずれにいたしましても、適切な避難情報の発令と住民の避難行動の確保のため、今後においても降雨時の水位状況等をもとに山口県と協議を継続してまいりますので、御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ◆30番(片山原司君)  では、再質問を行います。 まず、中山間地域の振興の件で再質問いたします。 錦川清流線も、岩国~柱島・端島・黒島航路も、これは少子化、高齢化により両方の交通機関が、今後、観光と高齢者に支えられていくと言っても過言ではないと思います。 その中で、特に錦・美川地区から岩国駅まで行く交通機関は、錦川清流線しかありません。医療機関を頼りにして生活する高齢者に、運賃は大変大きな負担となります。また、岩国~柱島等の航路も往復運賃が約3,700円では、柱島、端島、黒島に住んでいない、この島出身の高齢の方には大変な負担となります。墓参りや親類に会う、法事がある、祭り等の行事に参加することも大切な生活の一部でございます。 先ほど副市長のほうから、詳細にわたって御答弁いただきました。最後、今後については、副市長が言われるからそう聞こえるのかもしれませんが、門前払いのように聞こえるんです。内容はよくわかったが、そのうちにいろいろ調べるから話そうねというふうに、大変失礼なんですが、そういうふうに聞こえてしまいます。 そういう中で、柱島にしても岩国駅に行くにしても、ほかに交通機関がないんです。ですから、そのときにどうかというと、往復の運賃が、柱島方面では約3,700円、それから、錦川清流線で岩国駅まで約2,400円ですか、年金生活者には大変厳しい金額であろうというふうに思います。 新岩国駅から広島駅まで新幹線で行くのに、片道1,640円です。ですから、往復で3,280円。柱島へ行く往復運賃よりもこちらのほうが安いということですから、同じ岩国市内の中で錦川清流線で移動する高齢者、あるいは、島のほうへ――柱島、端島、黒島へ行く往復運賃のほうが新幹線よりも高いというのは、私は福祉という面でも、例えば、年金生活者が必要だから行くためにの往復運賃にしてもちょっと厳し過ぎるかなというふうに本当に思います。これより高い運賃が岩国市内であるのなら教えてください。私は、これは門前払いのような話ではなく、早急に解決していただきたいと思っています。 岩国~柱島間の往復運賃については、柱島、端島、黒島に住んでいる方は、70歳以上であれば、いわゆる船で行き帰りする券を48枚――これは、ここの出身の議員が随分依頼を受けて解決されたと思うんです。 今度は、こちらから行く人が、観光とかではなくて生活の一部として行く場合は、病院へ行くにしても何に行くにしても、私は、この交通支援は必要であろうというふうに思いますので、門前払いの話からちょっと思いを言っていただければよろしいと思います。よろしくお願いします。 ◎副市長(杉岡匡君)  私の答弁内容が門前払いのように聞こえたというのであれば、それは訂正をさせていただきたいと思いますけれども、決して門前払いをするというつもりで御答弁したわけではございません。 先ほど料金のお話をされましたけれども、やはり、それぞれの事業者がいかに錦川清流線にしても柱島航路にしても維持していくかということを検討しながら、そういう維持をしていく中での料金設定も出てくるわけでございます。ただ安ければいいというだけでは、決して会社は存続していかれません。 当然、市といたしましても、どういった形ができるのかというのは常に考えていかなければいけませんけれども、錦川清流線であれば、やはり玖北地域の方々が現在どういった状況で利用されているのか、どの程度の割合の方が御利用いただいているのかというのもやはり勘案しなければいけないと思います。 実際に、以前、たしかアンケート等もしたと思いますけれども、7割以上の方が錦川清流線を使っていなくて車でこちらのほうへ出てこられているという現状がございます。やはり、ある程度利用者の状況を勘案してからでないと、一概に料金を半額にするとか優遇するということはちょっと判断しづらいところはございます。 また、柱島につきましても、やはり島民の生活を守るという意味合いから島民の方々にそういった渡航券というのを出している状況でございます。島外から島に帰られる方は確かにいらっしゃるでしょう。そういった方々に何かできないかという御意見だと思いますけれども、私どものほうは、やはり島民の方々の生活を維持するという面が第一でございまして、柱島海運も厳しい状況の中、頑張って牽引をしていらっしゃるわけですから、どういった施策が一番いいのか、それは考えていかなければならないと思います。 これは、一例でございますけれども、柱島3島に帰られる際には、私どものほうで補助メニューを設けており、いろんな制度がございます。島に帰って活動いただけたら、こういった制度がありますよというのも少しPRをさせていただいて、それを活用しながら島の活性化につながればと思っております。 両地域ともやはり住民の利便性の向上とあわせて地域の活性化が出てくるものが必要ではないかと考えておりますので、先ほど御答弁いたしましたとおり、いろんな事例を考えながらどういったやり方が本当にいいのか検討させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆30番(片山原司君)  ありがとうございました。 今、言われていることもよくわかります。いずれ、柱島、端島、黒島の3つの自治会連合会から要望書が出ると思います。1人か2人の意見が出ているわけではありません。ちゃんと根拠がなければ何も言えませんから。往復運賃が約3,700円とか、錦川清流線でも約2,400円という金額を出して医者に行きますか。乗れないようにしてあるんです。乗らないんじゃないです。また、今後、そういう配慮があって、それなりの金額を考えた場合に、自治会連合会などの要請の主体団体に対して、ちゃんと乗ってくれるのかという確認をしていただきたいと思います。言った責任、要望した責任というのも私はあると思っておりますので、そのあたりは、そういう話の中で今の要望書が出ても、要望した人たちの問題もあると思うんです。言ったから、できたからよしというものではないと思います。 錦川清流線も、いわゆる錦川鉄道が一生懸命考えて、昼間はたくさん乗られないから「昼得きっぷ」で半額で使えるようにしました。市の補助ではないです。ですから、市の補助も入って状況がよくなったら、私は、それぞれの地域が、自治会を通してでも、住民に対してちゃんと事情を言って、乗ってくれというのは、行政がちょっと言うだけじゃなく、地元にも責任があると私は思っています。 そういうことで、よろしく御検討をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。何かあれば。 ◎副市長(杉岡匡君)  今、議員がおっしゃったように、やはり乗っていただける状況をつくって、そして、実際に乗っていただけたということにならないと、施策としては失敗でございます。ですから、いろんな御要望が確かにあるかと思いますけれども、やはり、私どものほうとしたら、錦川清流線や柱島海運を残したい。その中で、利用していただくこと、これがやはり第一になりますので、そういったことについては知恵を絞っていかなければいけないと思います。そのあたりは、今、御要望されるということでございますが、利用者の増をやはり私どもは願うわけでございますので、そのあたりは、また、利用者の方々の利用しやすい環境というものも考えていきたいと考えております。 ◆30番(片山原司君)  よろしくお願いいたします。 では、続いて、再質問で2番目の地域防災計画についてお尋ねいたします。 まず、非常食の備蓄は、約3,000食というふうに言っておられましたけれども、この数量で災害が起きたときに大丈夫かどうかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  災害と一口に言われましても、その規模とか状況によって、必要な非常食の量というのは変わってきますので、これを見定めるというのは非常に難しいというふうに考えております。 できれば一定規模の備蓄をそろえておいて、あとは災害の発生状況に応じて食料を調達するといったところをしっかりやってまいりたいというふうに思っています。 ◆30番(片山原司君)  いろんな場合があると言われると、言いようがないです。頑張ってください。 続いて、期限切れの近い商品というのが、今の2,700食から3,000食の非常食の中に――特にパンの缶詰はおいしいですね。これが700食あるんですけれども、このうちの300食が、来年、令和3年1月で賞味期限切れです。あとは結構年数がまだありますから、目先のことを考えることはないんですが、賞味期限が半年以内になったら対応を考えなければいけないと思うんですけれども、パンについては700食の中で300食が、来年、令和3年1月に賞味期限が切れます。これについてはどういうふうにお考えですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  今、御質問の来年の3月に賞味期限が切れるパンについて、どのように処分するかというのは、申しわけございません、今、具体的には決めておりません。 いずれにいたしましても、非常食を購入すれば、必ず消費期限というものが一定のサイクルで回ってくるということは避けて通れませんので、これらについて炊き出し訓練とか、避難訓練、学校の行事等々、期限切れが近づいてきたらいろんなところで活用していただけるように、創意工夫をしてまいりたいというふうに思います。 ◆30番(片山原司君)  これは随分な量になってくると思います、先々。ですから、何かに使うというのは、我々も平成20年のときに自主防災組織をつくってすぐ行政から奨励金で10万円いただいたので、非常食を買ったんです。あと、ほかからも資金を調達して、もう2度買っています。そしたら、それをどうするかというのは、1回目のときはみんな食べたことがないから、あるいは避難訓練や防災の研修をやったときに試食をしてもらいました。おいしいです。でも、これは何度も食べるかといったら食べないです。 そのうちに2回目の期限切れが来て、10年たったときはちょっとしか食べないんです。ですから、これはもったいないですから、何に使うかとか、防災訓練とかといっても、やったことがないところはちょっとぐらいは食べますが、例えば、こども食堂、フードバンク、こういったところは期限切れ3カ月以前なら喜んで受け取りますと言っておられます。ですから、そういったところもちょっと考えられないと。非常食を仕入れたら、次に、賞味期限が来るものをどうするんですかという問題になりますが、そういうところでは半年余裕があるといったら喜んで使われると思うんです。ですから、そういうところを探していただいて、計画的に行っていただきたいと思っています。 美川の場合は、今、650食ありますから、早く賞味期限が切れそうな分は――今まで2度目で懲りましたから。1度目はよかったんです。だから、もう半年前であれば、これは何百食はこども食堂に出そうとか、そういうのを――今新型コロナウイルス感染症の関係で総会ができないんですが、近々、総会で決定して、流れをつくっていきたいと思います。これはお金がかかっていますので、だからぜひ、そのあたりは慎重に計画的に考えていただきたいと思います。そのあたりはいかがですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  今、ありがたい御提言をいただきましたので、我々はそういう食品ロスがなるべく出ないように、できれば計画立てて交流をして、消化をしていきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 ◆30番(片山原司君)  よろしくお願いいたします。 続いて、非常食が置いてあるのは――パンはどういう意味かわからないですけれども、2個がずっといろんなところに置いてあるのはどうも早期避難所のようです。置いてあっても余り2缶では意味がないんですが、メーンで非常食が置いてあるのは川下防災備蓄センターで、あとは総合支所に幾らかずつ置いてあります。ですから、数でいきますと、先ほども総合支所が幾らで、川下防災備蓄センターが幾らというのを言われましたが、災害が起きたときに、この非常食を出張所とか避難所へ配送するというのは大丈夫なのかどうかお尋ねします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  今の御質問は、災害時に、例えばある避難所で道路が寸断されて孤立して、そこに非常食がない場合に、川下防災備蓄センターや総合支所から運送するのは大丈夫かという御質問だと思うんですけれど、これも申しわけないんですが、まず孤立した場合に当然救助を第一に考えるというふうに思います。当然、その救助というのが状況によって時間を要する、日数を要する場合も出てくると思います。その間に当然その方たちが食料とか毛布とか必要ということになりますでしょうから、それを必要な分だけ運搬するということは必要になってきますので、これも状況によっていろいろと方法が変わってくると思います。 災害の発生状況で車がまだ通れないということでございますので、例えば一般的に考えますとヘリコプターとか、ドローンであるとか、あるいは量にもよりますけれど、徒歩で運べる量であるとか、そういった状況によって配送を行っていくというふうになると思います。 ◆30番(片山原司君)  岩国市はヘリコプターを持っておられるのですか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  岩国市は持っておりませんが、県の消防防災ヘリコプターはございます。 ◆30番(片山原司君)  ドローンとかの訓練をやったり、いろんなことをしての話ですから、ちょっと現実性がすぐにはないような気がします。 私も考えてみました。今、非常食は川下防災備蓄センターにはパンと御飯類で1,100食あります。それから、各総合支所の合計が御飯類とパンで1,600食です。ですから、総合支所に置いてあっても、その出先の支所とかいっぱいあると思うんです。だから、同じようになってしまいます。そして、旧といったらおかしいですが、もともと岩国市の中心部は川下防災備蓄センターしかないんです。災害があったときに、これは致命的なものになると思います。 これは台風14号のときに河山地域の国道が土砂崩れで車が動けませんでした。だから、食料をどうこうするというのは、山の上で被害に遭っていない地域の人が水と握り飯を持ってきてくれたり、そういうのが結構ありました。 このときは水害だったからいいんですが、いろいろな災害があると思うんです。そういったときに、それぞれのまちで――今一番新しい岩国市防災ガイドブックを見ますと、この防災ガイドブックの中には35カ所の早期避難所があります。せめて早期避難所に非常食を幾らか置いておくことができるなら――例えば美川地区でいいますと、南桑、河山、根笠という3カ所のいわゆる鉄筋コンクリート造の早期避難所があります。職員も来ます。だから、ここに我々は650食の非常食を分けて置いてあります。1カ所じゃないです。 避難する人が集まる早期避難所に、災害の状況とか、集まる人口とか、避難者の数に合わせて分けております。もう既に配置をしております。 同じように、これをずっと見ますと、ほとんどの地域に早期避難所があります。せめて、そこに非常食を置いておかないと、全く非常食の役目は果たさないだろうと思うんです。この防災ガイドブックの中でいろいろ書いてありますし、避難場所一覧というので、早期避難所も全部載っております。35カ所ありますので、そこに200食置いたとしても7,000食ですかね。ですから、びっくりするような数ではないです。美川でも650食持っていますから、これは災害に遭いましたから、この十数年間、毎年1回は防災研修をやっています。消防署から、消防組合から、そして危機管理課から、毎年1回やっています。住民の方に集まってもらっています。 非常食を食べたりとか最初やりましたが、だんだんそれが自主防災組織をつくっていても物すごく弱くなっているんです。15年メンバーを同じにしたら、病気になられたり亡くなられています。もう動きがとれない状況なので、自主防災組織を新たに今つくっています。だから、いろんなことが年数とともに変わってくるんですけれども、この非常食の各出張所、避難所への配送ということで、早期避難所への非常食の配置については何かお考えがありますか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  非常食について、先ほどから御質問がありましたように、デメリットとしては食品ロスが発生する。それに対処していかなければならないというところもあると思います。 片山議員がおっしゃった、早期避難所に非常食を置いてはどうか、一定の数量を置いてはどうかということ、それは一つの考え方だと思います。 これはゲームでいうとフォーメーションという形になると思うんですけれど、災害に対応するに当たって、今、我々の考え方は、一定の箇所に置いて、どこで何か起こってもすぐに必要な数量を迅速に運んでいけるようにフォーメーションをとっておこうということで、どちらが合理的かという考えは正解はなかなか難しいと思うんですけれど、ほかの災害時の消防団とか職員の配置等々、そのあたりの体制も含めて、また、先ほどの食品ロスの問題も含めて総合的に考えていかなければならない問題だと思いますので、今後、検討はしてまいりたいというふうに考えます。 ◆30番(片山原司君)  十分に検討してください。ここでどうこう言うつもりはありません。ただ、ずっと答弁をお聞きしていたら、余りにも、自分を中心に世の中が動くから――きょうは雨が降るなよと言ったら、言うことを聞いてくれるぐらい思っておられますが、やはり防災というのは自分たちだけじゃなく、自然との戦いですから、そのあたりは万全の体制がいるかなと思っています。 続きまして、自主防災組織の理想の姿についてお尋ねしたいと思います。 自主防災組織、自主防災組織と言いますけれども、平成20年にこの自主防災組織が29地区に29カ所できました。そのあたりで理想の姿についてお尋ねいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  雨が降るなよと思えば雨が降らなくなる能力は欲しいとは思っております。 自主防災組織に我々が求めるものは――市のほうが降雨量や水位等を監視して、できれば早目に対象地域に避難勧告を出していき、それを防災行政無線等々で伝えていって、実際に逃げていただくのはやはり自助ということで、自分自身で逃げていただかなければいけないんですけれど、やはり災害弱者の方も当然おられますので、逃げおくれる方がいらっしゃらないように、ここでその自主防災組織が共助の仕組みの中心的役割をしていただいて、逃げおくれの方がいないようにというところで、それを自主防災組織に我々は求めていきたいというふうに思っています。 ◆30番(片山原司君)  おっしゃるように、どんどん過度にしてもらったら困るんですが、岩国市全体の29カ所の自主防災組織が、最低限、何をするのかといえば、災害が来る前に地域の方に、住民に、全員に避難をしようという連絡がいくかどうかです。こういうことを美川地区はやりました。大変な災害になったので、河山地区は余りやらないけれど、美川地区だけは当時国道から2メートル30センチメートルまで水が来ましたから、どうにもこうにもなりませんでしたから、だから、うちの家でも県から3回消毒に入ってもらいました。高齢者が多いので伝染病が出るということで、県は集中的に防疫班が入られました。 うちの家に家具が入ったのは、9月6日に災害に遭ってから、1月10日でした。私は会社を1カ月休みました。誰かがいないとボランティアが入っていても、どこに何人とか、男性を女性を入れるというのは全部やらないといけないんです。そして、高齢者のひとり暮らしは1日か2日やったらもうくたくたになっています。 人に会うと気分が悪くなるから、外に出ないから鍵をかけておくねと言われる方が、結構おられました。私でもその当時、町議会議員でしたが、人に会うのはどうということはないと思っていたら、1週間、ボランティアの方をずっと管理したり、あるいは機動隊が来る、警察学校が来る、どこへ配置してというのを全部やったところ、人に会うと戻しそうになりました。だから、災害のときになると、人というのは普通に会う関係ではありません。とんでもないことが山のようになります。1週間以上たって、少しきれいになっているなと思ったら地域の方の口げんかが始まります。何でもない会話で、「今言ったじゃないかね」――びっくりします。だから、県はいわゆる気持ちの部分が安定するように専門のお医者さんを呼んできておられました。 いろんな形をやって、この自主防災組織というのをつくらなければいけないなと思うようになりました。だから、そういう中で、平成20年に今の自主防災組織をつくりまして、それから毎年――台風が来たときと今回の新型コロナウイルスのときの2回ほど、いわゆる防災研修はやっておりませんが、あとは全部ずっとやりました。だから、そういうことをやって、避難訓練までやりました。地域の方が、雨が物すごく降ったときに、川の横のゲートを閉めるわけです。それは、その研修にいつも来ておられます。わずかですが、年に二万何がしかですけれども、それが県から出たら、いつも災害を心配していますから、「片山さん、半分で悪いが1万円ほど」と言ってずっと10年以上寄附されています。2カ所から全部で15万円どころじゃない、もっと多いですね。これで非常食を買ってくれと言われました。何もしなかったら災害に遭っただけで終わります。次に遭ったらもうここに住まないぞというような話じゃないんです。何とかやっていこう、そして自主防災組織をつくってみんなが災害に遭わないように考えて、そういうお金さえも非常食を買う金に使ってくれと出されました。ことしの3月末でやっと、もう十分ですからと、感謝とともにお断りして、十六、七万円あればかなり買えますからね。九万何がしかで300食ぐらい買えますかね、非常食は。だから、そこには今までみんながやってきた自主防災も含めてドラマがあるんですよ。だから、私は先日、矢野議員のほうが、護岸が傷んだときに自主防災組織で連絡を回したのはすごいと思います。そこが自治会連合会、自主防災組織、いろんな会議でされるときに、1時間半の研修を受けます。普通は30分から1時間ですよ。私はこれを1時間半やってくれと言われてびっくりしました。往生しましたから。 それと、自主防災組織の会長さんがされて、行政も連絡に入っておられましたね。ですから、消防も自治会連合会も自主防災組織もいろんな団体が入って、由宇でそういうことをされました。そういうことをずっとやられたからこそ、今のような、危ないからという連絡も地域でも回るんだと思います。 災害に遭って何かをしないと、何かみんなでつくろうとやってできるようなものじゃないですから、何か物すごく簡単に考えておられますが、由宇の姿を見たときに私が感動して恐縮して帰った覚えがあります。研修時間は1時間半でした。生まれて初めてです。30分、1時間というのはいっぱいあります。だけれども、そういうのがあって、この由宇というのはすごいなというふうに思って、先日、矢野議員がまたそういうふうに言われたから、そうだろうなというふうに思いました。ですから、災害に遭ったときがこういう自主防災組織を考えるチャンスだと思うんです。 近ごろ、ここ15年ぐらいでいうと、平成17年9月6日の台風14号、これは山口県が初めて激特事業で国に採択された事業です。美川が20億円、藤河が60億円、合わせて80億円、そういう事業でした。その中でずっとやってきましたので、平成17年9月6日の台風14号、平成26年8月6日の豪雨、平成30年7月6日の西日本豪雨、今回が令和2年9月6日から7日――岩国市は6日という日が鬼門です。今度は大ごとになるかなと思ったら、助かりましたね。本当は6がつく日は全くいけません。 こういうことがあったときに、自主防災組織というのは立ち上がる機会が多いので、何かみんなで話してできるというものじゃないので、そのあたりは自主防災組織の理想の姿を追うときに、特に危機管理課が中心でいろんなことを考えていただきたいと思います。 続いて、防災アドバイザーの増員について、どのぐらいをお考えかお尋ねいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  各自主防災組織において、防災リーダーを育成してまいりたいというふうに考えております。 今、議員のお尋ねは多分、山口県の自主防災アドバイザーのことをおっしゃったんだと思うんですけれど、これについては毎年、県が研修を行っておりまして、自主防災組織のほうから推薦をしていただいて、受けていただきます。 令和2年度については5人の方が受けられるというふうに聞いております。この研修の最後の日に防災士の試験もありまして、試験を受けていただいて、防災士の資格を取っていただくというのもあるんですけれど、この費用について、自主防災組織を通じて行われた場合は、何度も言っていますけれど、全額費用を助成させていただいているということで、こういったことをあわせて、防災リーダーを今後も育成してまいりたいというふうに思います。 ◆30番(片山原司君)  わかりました。 防災士というのは難しいです。3日間研修に行かなければいけない。テストもあります。だけれども、この防災アドバイザーというのは県がやって1日で済みます。要は、県は逃げなければいけないときに、「おい、みんな逃げようぜ」と声をかけてくれるのが防災アドバイザーと言っています。 防災士は、部屋割りから何から避難所をどういうふうにするか、皆考えてくれと言っています。難しいです。だから、自治会でいう班長みたいな存在で、1日行ったらこの資格がもらえるので、そういう人が各地域にたくさんいればいるほど――美川でも20人とかいると思います。どんどん人数が要ります。簡単に取れますから、そういう中で、自治会は自治会長も班長もどんどんかわるから、だから、ぜひこの防災アドバイザーを市のほうも人数として、ある程度の目標は持っていただきたいと思います。そのあたりはよろしいですかね。目標を言われてもいいんですが。なければ言わないでください――はい、わかりました。 では、最後の再質問の3番、錦川の出合水位局について再質問をいたします。 出合水位局では、周辺の住民から長い間不信感があって信用されておりません。対応策はどのようにお考えか、あわせて、1つの対応策として、御助言申し上げたいんですが、壇上で危機管理監が言われたように、氾濫危険水位を超えるということは、岩国市は避難勧告を出すということですね。氾濫危険水位を超えたということは、その一定の流域がありますが、そこへ避難勧告を出すということです。もう県がそういうことなら、避難勧告を危機管理監が出されたらどうですか、そのたびに。お答え願います。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  御助言ありがとうございます。 壇上でも申し上げましたし、今、議員が言われたように、内閣府の避難勧告等に関するガイドラインでは、氾濫危険水位はその後の水位の上昇の見込みにかかわらず、避難勧告発令の基準とするというふうに定められております。 ただ、実際、全国の各地の川も皆一緒なんですけれど、氾濫危険水位に到達しても、どこかで直ちに洪水が起きているかというと、そういうわけでもございません。 出合水位局におきましても、壇上でも申し上げましたけれど、氾濫危険水位を超えているのは昨年は3回です。今年度既に7月が雨が多かったので5回超えています。 幸いにも、前後の区間のどこにおいても洪水というのは起きておりませんので、この状態でおっしゃいますように何度も避難勧告を当該地域に出していると、オオカミ少年になって、そのうち避難勧告を出してもいつものことかと誰も逃げなくなってしまうということがありますので、岩国市はそれも考えまして、一昨年から岩国市避難情報発令基準というのを定めておりまして、この中で出合水位局が氾濫危険水位に到達した場合は、現在のところ、気象庁が出しております洪水警報の危険度分布という流域雨量指数によって、「危険」とか「警戒」とかというレベルを変えていく方法があるんですけれど、これが「警戒」になったときに、両方同時に成り立ったときに、避難勧告を考えるというふうに今定めております。今後は洪水に関しては、まだ避難勧告を出すというやり方についてはいろいろ課題があると思っていますので、これは今後も研究してまいりたいというふうに思います。 ◆30番(片山原司君)  もう時間切れになりますので、県が言われることをやはりそのまま住民に伝えることはできませんので、県の河川課を呼んで、会合を錦川流域の一定地域で開くべきだと思います。そういうことがもし嫌であれば、こちらでやるかもしれません。今のままではいけませんから、よろしくお願いします。 以上で、一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、30番 片山原司君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後0時1分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後1時   再開 ○副議長(片岡勝則君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。18番 松川卓司君。 ◆18番(松川卓司君)  皆さん、こんにちは。憲政会の松川でございます。昼一番、皆さん一番リラックスしておられるところと思いますが、しっかりと質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 それでは、通告に従って壇上から質問をいたします。 1、F-35Bの機種更新について。 防衛白書によると、「わが国周辺には、質・量に優れた軍事力を有する国家が集中し、軍事力のさらなる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著となっている。」と報告されております。特に、海洋に関しては、国際秩序を相入れず、独自の主張に基づいて自国の権利を一方的に主張し、公海における航行の自由や上空飛行の自由が不当に侵害されるような状況が生じております。 また、近年のテクノロジーの進化により、情報通信などの分野の急速な技術革新による軍事技術の進展は、陸・海・空のみならず宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域を組み合わせたものとなっており、安全保障上、一国のみの対応が困難な課題が顕著化しております。 そこで、(1)F-35Bへの機種更新に対する市の基本姿勢についてお伺いいたします。 このような状況下において、一般論として、航空機に限らずどのようなものであっても年数経過とともに老朽化し、新しいものができれば旧型化するのは自然の流れであり、私は適正な防衛力の維持のためにも一定の更新は必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか。 次に、(2)基地機能強化の定義についてお伺いいたします。 私は、基地の機能については、基地機能の変更と基地機能の強化があると考えております。 基地機能の変更とは、米軍再編による空母艦載機移駐等の人員や施設が大きく変更されるものであり、今回の機種更新は空母艦載機移駐と同列に考えるものではなく、現行の中での機種更新であり、基地の機能の変更ではないと考えます。 一方、基地機能の強化に関してですが、基地機能の強化とは、軍事的機能を指すものではなく、基地機能を強化することにより、騒音や生活の安全性といった市民の生活環境が悪化することは認められないということから、基地の強化は認めないと理解しておりますが、いかがでしょうか。 (3)今後、市民生活への影響が出た場合の国に対する市の姿勢についてお伺いいたします。 今まで岩国市は、基地の安定的な運用に協力してきていますが、今回の機種更新によって、米軍岩国基地の機数が4機増加することになります。機数が増加するということは、飛行回数が増加し、騒音や安全性への不安も高まることが予想されます。 実際に機数が4機増加するという現実を捉え、国に対して安心・安全対策や地域振興策をより強く求めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。 次に、2、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について。 新型コロナウイルス感染症は、日本ではことし1月に感染が確認されて以降、その感染拡大を続け、2月には国から非常事態宣言が発令され、外出禁止やテレワークの奨励等、さまざまな形で我々の生活様式に大きな影響を与えております。特に、経済活動においてその影響は大きく、全世界的な経済の悪化を引き起こし、経済の復興は先行き不透明な状態が続いております。感染拡大の収束はめどが立っておらず、一日も早いワクチンや特効薬の開発が待たれるところです。 このような状況において、現在できることは、第一に感染拡大を防止することであり、そのためには、検査体制の確立が必要であります。 そこで、(1)検査体制の強化についてお伺いいたします。 本市においては、まさに本日10日より、地域外来・検査センターが開設され、その効果が期待されるところですが、本市における現在の検査体制についてお伺いをいたします。 (2)医療提供体制の確保について。 本年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により、全国的にマスクや消毒液が不足した時期がありました。現在は改善されておりますが、今後、秋から冬にかけて再度感染の拡大が懸念されます。特に、医療従事者へのそれらの医療物資の提供は重要となってまいります。 今定例会において、岩国市感染症拡大防止基金を設置する議案が上程されておりますが、その目的と内容についてお伺いいたします。 以上、壇上からの質問といたします。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、松川議員御質問の第1点目のF-35Bへの機種更新についての(1)F-35Bへの機種更新に対する市の基本姿勢についてお答えをいたします。 初めに、今回のF―35Bへの機種更新については、岩国飛行場のFA-18ホーネットの既存の部隊の航空機がF―35Bに機種更新されるものであり、新たな部隊が追加されるものではない旨、国から説明を受けております。 議員も述べられましたように、一般的に、航空機に限らずどのようなものであっても年数の経過とともに老朽化し、新しいものが出れば旧型化することになります。 我が国の厳しい安全保障環境の中で使用される航空機について、今回は米軍機でありますが、適正な防衛力の維持のためには、技術革新という自然の流れから取り残されることなく、一定の更新が必要であるとの議員のお考えに私も全く同感であります。 市としましては、今回は機種更新であることから、部隊も航空機も大きく変化した空母艦載機の移駐と同列に議論する考えはございませんが、機数の変更もあるため、市民の安心・安全確保の観点から、文書による照会に対する国からの回答、それと騒音予測コンターなどを精査し、総合的に判断をしてまいりたいというふうに考えております。 次に、(2)基地機能強化の定義についてでありますが、改めて基地政策の基本姿勢を正確にそのまま申し上げますと、「岩国市は、米軍基地が所在する自治体として、これまで国の安全保障政策を尊重し、基地の安定的な運用には協力してきており、その運用に当たっては、住民が安心して安全に暮らせる環境を確保されるよう、国及び米軍に対し引き続き細心かつ最大限の配慮を求めるものである。」 「従って、基地機能が変更される際には、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できないという立場を基本姿勢として堅持する考えである。」「また、激しい騒音をもたらすFCLPについては、岩国基地での実施は容認できない。」としております。 また、市の基本姿勢を説明する際に、「基地機能の強化は認めない」と申し上げる場合もあります。この点につきましては、私が市長に就任して間もなく、平成20年に、基地機能の判断基準について、基地機能そのもの、すなわち軍事的な機能や能力を評価するのではなく、騒音や安全性など基地周辺住民の生活環境が現状より悪化することとなるか否かといった観点から判断し、これが悪化する場合は容認できないという姿勢に整理し直した経緯がございます。その理由としては、住民福祉の向上や良好な生活環境の確保を基本とする自治体として、こうした判断基準が妥当ではないかとの考えによるものであります。 基地機能に何らかの変更がある場合、自治体がかかわることができるのはあくまでも周辺住民の生活環境への影響に関することであり、そうした影響から住民の生活を守ることが自治体の責務であるというふうに考えております。 基地機能そのものについて、何をもって強化というのかにつきましては、科学技術の進歩に伴う変化もあれば、機能の合理化や効率化など質的な変化を図る場合もあり、防衛政策への専門的な知見や権限を有しない、そういった自治体が判断することは困難ではないかと認識しております。 また、基地機能の変更とはどのような場合を指すのかという御質問につきましては、空母艦載機の移駐のような大きな変更もあれば、今回のような機種更新や機数の変更、また人員や施設等の変更などさまざまなものが考えられます。 どの程度までの変更を、基地機能の変更として基本姿勢に照らして判断するのかにつきましては、全ての変更を同列に取り扱うということではなく、変更の理由、またその内容に応じて、その重要性や住民生活への影響を考慮しながら、適切に判断してまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、市としましては、今後もこの基本姿勢を堅持してまいりたいと考えております。 最後に、(3)今後、市民生活へ影響が出た場合の国に対する市の姿勢についてでありますが、先ほども申し上げましたように、市の基本姿勢は、「周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合にはこれを容認できない」としており、実際に周辺環境が現状より悪化することが想定される場合、国において適切な対応が講じられるということが重要であるというように考えております。 また、国と地方自治体は、国民全体の安全と地域住民の安心・安全がともに確保されるよう、お互いに協力する必要があると考えております。 したがって、国政に協力する一方、安心・安全の確保を訴えることは自治体としての当然の責務であり、自治の基本であることは言うまでもございません。 私は、これを基本としつつ、具体的な取り組みを通じて国政と自治体行政との接点を見出し、地元の負担と協力に見合うだけの措置を獲得していくという考えでありますので、よろしくお願いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  第2点目の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策についてお答えいたします。 まず、(1)検査体制の強化についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の発生状況は、都市部を中心に、毎日、多数の感染が確認されています。 このような中、山口県におけるPCR検査体制につきましては、現在、9カ所の保健所内に設置されている帰国者・接触者相談センターが相談を受け付け、県内22機関の帰国者・接触者外来等において検体採取を行っております。 新型コロナウイルス感染症が拡大している地域においては、既存の帰国者・接触者相談センター、帰国者・接触者外来等における業務が増加していることを踏まえ、さらなる検査体制の確立が必要となるため、国において、4月15日付厚生労働省事務連絡通知等により、地域外来・検査センターの設置運営の方針案が示されました。 その概要は、県が管轄する区域の住民に対して新型コロナウイルス感染症の行政検査を円滑に実施するため、地域外来・検査センターの運営を、県が市町と郡市医師会等に委託できる内容となっており、本市においては、岩国市医師会と玖珂医師会の御協力により、岩国市地域外来・検査センターを本日開設いたします。 開設場所は旧第一工場の計量棟で、開設日時につきましては毎週火曜日と木曜日の午後2時半から午後4時半までの2時間で、事前予約制としております。 予約方法としましては、発熱等の症状のある方があらかじめ登録された医療機関を受診し、医師がPCR検査を必要と判断した場合に当該医療機関から地域医療課に予約していただきます。 検体採取の方法につきましては、ドライブスルー方式を採用し、看護師が唾液での検体採取を行い、翌日、検査結果が判明いたします。 検査費用につきましては、医療機関での受診の際に保険診療に基づく自己負担が必要となりますが、検査に係る費用は保険優先の公費負担となり、患者の自己負担は発生いたしません。 市といたしましては、新型コロナウイルス感染症に関する市民の皆様の不安解消を図るため、引き続き、山口県や医師会等関係機関と連携し、地域外来・検査センターの適切な運営に努めてまいります。 次に、(2)医療提供体制の確保についてでございますが、本年2月からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国的にマスクや消毒液などの医療物資が不足し、入手が困難な状況となりました。 市としましては、医師会や岩国医療センター、医師会病院へ随時、不足物資等の近況確認を行っており、医療機関や医師会、歯科医師会、薬剤師会等に、マスク約4万枚、消毒液650本等を複数回に分けて配布したところです。 そうした中、本定例会において、今後新型コロナウイルスワクチンが実用化されることとなった場合に、市民の方へのワクチン接種に係る助成を実施できる体制を整えておくとともに、さまざまな感染症の流行期に医療材料の不足により医療提供体制が弱体化することのないよう、あらかじめ必要な医療材料を備蓄し、流行期においても良質な医療を提供することができる体制の確保を目的として、岩国市感染症拡大防止基金を設置する議案を上程しております。本議案の御承認をいただきましたら、本基金を原資として感染症対策医療材料備蓄事業に取り組むこととしております。 対象の感染症は、主に新型コロナウイルス感染症やインフルエンザを想定しており、発熱だけでは診断が難しいため検査する必要がありますが、その検査は感染リスクが高く、防護衣やフェイスシールド、マスクなどの防護具の着用が必要となると考えています。 そうしたことから、備蓄する医療材料といたしましては、防護衣とフェイスシールドを考えており、配布基準は、感染症の流行時において医療材料が入手しにくい状況が発生した際、市内医療機関からの申請に基づき備蓄品を配布したいと考えております。 市といたしましては、新型コロナウイルス感染症などさまざまな感染症に係る医療従事者の感染リスクの軽減を図ることにより、感染症流行期に備えた医療提供体制の確保に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆18番(松川卓司君)  それでは、順不同で自席から再質問をさせていただきます。 まず、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策についてですけれども、その中で、特に新型コロナウイルス感染症の水際対策についてお伺いをしたいんですが、本市の入り口としては、公共交通機関のJRの各駅やその他多くのものがありますけれども、今回は岩国錦帯橋空港で――これは、現在、東京便のみの運航でありますので、新型コロナウイルス感染者が多い関東方面からの来訪者が非常に多いと考えられます。 その水際対策としても非常に重要な拠点であると考えますので、岩国錦帯橋空港における感染防止対策についてお伺いいたします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  まず、7月17日の臨時会におきまして、市長が若干御報告申し上げております。その後の進捗状況について御報告させていただきます。 まず、岩国空港ビル株式会社におかれましては、山口県の感染対策に係る補助金を活用されて、ターミナルビル入り口3カ所に非接触型自動検温器を設置されました。そして、施設内につきましては、ソーシャルディスタンスを表示されるとともに、ロビーのソファーや手すり、そしてトイレブース等につきましては、光触媒加工による抗菌コーティングを実施されておられます。それから、フードコートをことし4月に設置しましたが、そこに設置しております机、椅子等につきましては、日に6回消毒等を実施されております。 それから、館内には空気清浄機、オゾン除菌、それから消臭機等を、まず1台は設置されていますが、2台目については10月中には設置されるというふうに伺っております。 また、運航会社の全日本空輸株式会社におかれましては、搭乗手続時に職員のマスク着用、それから各カウンターには飛沫の防止シート、手指消毒液等を設置されております。 このように、議員御案内のように、本当に本市の重要な交通拠点の一つでございますので、市といたしましても、引き続き全日本空輸株式会社、それから岩国空港ビル株式会社と連携して、市民の皆様に、そして利用者の皆様に安心して御利用いただけるように協力するとともに、こういった施設をしっかりPRしまして、利用の促進につなげてまいりたいと考えております。 ◆18番(松川卓司君)  今、岩国市は、2例4人の方の感染が確認されているということで、非常にいい成績だと思います。 これは、まさに市民の方々が、普段の生活にも留意しながら、また水際対策がしっかりできているということだと思いますので、今後ともしっかりとした感染防止対策を施していただきたいというふうに思います。 それでは、次に、本日まさに開設されました地域外来・検査センターについて、この設置目的と効果についてお伺いしたいんですけれども、先ほど壇上から御答弁をいただきましたけれども、専門用語が多いので、今、アイ・キャンでも市民の方がたくさん見ておられますので、もう少しわかりやすく具体的にお示しいただきたいと思いますので、再度お伺いいたしますけれども、今までは、新型コロナウイルス感染の疑いが見られた場合、保健所に連絡して電話問診をして、そしてPCR検査の有無についての判断を仰ぐということになっています。 例えば、私が何となくそうではないかなといったときには、保健所に電話して電話問診を受けて、必要であれば、「どこどこに行ってください」というようなことになると思うんですけれども、その後にどういうような検査があって、その費用についてはどのようになるかということをお伺いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員お尋ねの従来の流れといいますか、その費用負担でございますけれども、おっしゃいましたように、岩国健康福祉センター内にある帰国者・接触者相談センター、そちらにまず御相談されて、実際にその問診の中でこれは検査する必要があるとなった場合に、そちらから帰国者・接触者外来という医療機関を紹介されます。その紹介された帰国者・接触者外来、そちらのほうに患者さんは行って、診察を受けてそこで検体を採取する。そこから検査機関のほうに検体は送られるという流れになります。 実際に、その結果は翌日ぐらいには判明いたします。費用につきましては、先ほど申しました帰国者・接触者外来、そこでの診療、これに対する保険診療に基づく自己負担、これは発生いたします。しかしながら、先ほど言いました検体採取して検査機関に送って、そういった検査費用、そういったものにつきましては公費負担となりまして、自己負担は発生しないという流れになります。 ◆18番(松川卓司君)  ということは、保険適用というと、私でいえば3割負担という形だと思います。 それでは、今回、地域外来・検査センターがまさにきょう開設されたんですけれども、その場合には、普段行っているお医者さん――それは指定の医療機関に限定されるということですけれども、そこで診察を受けて、PCR検査をしたほうがいいですよという判断が下された場合には、今後それはどのような流れで、どのような費用が発生するのかということをお伺いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  地域外来・検査センターにおける流れを御説明いたします。 議員御案内のように、まずあらかじめ指定された医療機関――診療所・クリニック、そういったところで受診をしていただきます。そこで受診された際、当該医療機関の医師によって、この方はいわゆるPCR検査のために検体採取する必要があると判断して指示された場合に、その当該医療機関から地域医療課のほうにファクスあるいは電話、そういったもので医療情報提供書という指示書が来ます。その指示書によって、地域医療課のほうで予約をいたします。その予約時間は、先ほど壇上で御答弁いたしましたように、毎週火曜と木曜の午後2時半から午後4時半の2時間というふうにしております。 その地域外来・検査センターにおいて、指定の時間に参られた方に、看護師が唾液での検体採取を行いまして、その検体は、当日の夕方取りまとめて民間の検査機関に送致されます。検査は翌日になりますので、翌日中に結果が判明するという流れになります。 費用ですけれども、先ほどと同様に、まずかかりつけ医であるとか、いわゆる診療所・クリニックで診察された際、その診療につきましては、保険診療に基づく、いわゆる3割負担なら3割という自己負担が発生いたしますけれども、検体採取、それから検査費用、そういったものにつきましては公費負担となり、自己負担は発生いたしません。 ◆18番(松川卓司君)  地域外来・検査センターについては、非常に今後期待されるところでありますけれども、さまざまな懸念も少しあります。というのは、あそこに行くまでの――姫野議員がたしか質問されたと思うんですけれども、車がない場合はどうなるのかとか、そういったことも今後またいろんな課題が出てくるかと思いますけれども、積極的な対応をお願いしておきたいと思います。 それでは、次に、医療提供体制の確保についてお伺いしたいと思うんですけれども、今回の岩国市感染症拡大防止基金のこととは別に、今後は、医療提供体制というのはデジタル化されて、オンラインによる診療、遠隔治療が実現するということが予想されております。 今年度、美和病院において5Gを使った実証実験を行って、若手医師の育成指導を行う予定であるというふうに聞いておりますけれども、その内容についてお伺いいたします。 ◎地域医療担当部長(山田真也君)  議員御案内の今年度行う美和病院における5Gを活用した実証事業についてでございますけれども、事業名といたしましては、へき地医療機関遠隔サポート事業で、これは山口県が実施主体でございます。 6月に、山口県、山口県立総合医療センター、岩国市、株式会社NTTドコモ中国支社の4者で協定を締結いたしております。 実際の中身といたしましては、山口県立総合医療センターと美和病院の間で通信回線を利用して、山口県立総合医療センターのベテランの医師が、美和病院に山口県から派遣されている若手医師、これを遠隔によって実技指導――内容といたしましては内視鏡検査なんですけれども、そういったものの実技指導を行うというものでございます。 この実証事業の期間といたしましては、今年度から3年間ということで、令和4年度までを予定いたしております。 私どもといたしましたら、こういう事業をやることによって若手医師の、いわゆる定着につながることも期待しておりますし、既に今年度導入しております本郷町、柱島での遠隔医療、そういったものも含めてさまざまな観点に立って玖北地域全体で活用できないだろうかと、そういったことも研究してまいりたいというふうに考えております。 ◆18番(松川卓司君)  今後、そのような取り組みは非常に重要になってくるというふうに考えます。特に将来的には、遠隔治療や遠隔手術――これは5Gがもし可能であればですけれども、ということも可能であるというお話も聞いております。 ただ、そのためには、5Gを活用できる環境整備が必要であると思いますけれども、昨日、高田総務部長から、そういった環境整備については民間通信事業者に委ねるという御答弁もありました。 私は、その5Gの環境整備については、やはり今回のような医療機関にスポットを当ててそこから進めていくのも一つの考え方ではないかと思います。特に、愛宕山にあります岩国医療センターにおいては、例えば関東圏の大きな大学病院と提携を結ぶというような形を考えると、もし遠隔医療なり治療が行われても、その後何かの変化があったときには、岩国錦帯橋空港を利用すれば関東圏からもすぐ呼ぶことができますし、また治療にもそういったスピーディーな対応もできるというふうに考えます。 また、岩国医療センターは岡山大学の医学部系列と聞いたこともありますし、また医師会病院は山口大学系統、また近隣には広島大学もありますので、複数の大学病院との提携も視野に入れて、今後5Gを活用した医療体制の構築をすることを提言しておきたいと思います。 それでは、次に、今回の地域外来・検査センターが開設されることにより、PCR検査の数がふえるということが考えられます。そうすると、陽性患者がふえるということも予想されるわけです。 現在、新型コロナウイルスは指定感染症に指定されていて、無症状の感染者も入院または宿泊施設での療養、自宅療養が必要であるということになっていると思うんですけれど、今後ベッド数などの医療資源を重症者に重点化するため、指定感染症として感染症法の適用項目の検討に入っていると聞いておりますけれども、それはどのような対応になっているのかをお伺いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  新型コロナウイルス感染症は、指定感染症として、疾病の蔓延を防ぐために、感染症法の規定を準用して講ずることができる措置を個別に定めることができることになっております。 このウイルスは、感染しても症状が出ない方が30%から50%いらっしゃると言われておりますけれども、こうした無症状病原体保有者に対しましても、現在は感染症法の適用によって入院等の措置がとられております。 今後は、国において、病床の効率的な運用、そして医療機関や保健所の負担の軽減といった観点から、無症状病原体保有者への適用をどうするかということについて検討がなされていくと聞いております。 ◆18番(松川卓司君)  つまり、自宅療養等々がふえてくるのではないかというふうに理解しますけれども、これは私も知り合いのお医者さんと話をしたときにいろんな話を聞いたんですけれども、今回の新型コロナウイルスの特徴としては、飛沫感染と接触感染で感染力がとにかく非常に強いということを聞いております。 しかしながら、感染者の8割が軽症または無症状感染者であるということであります。ということは、自分が感染しているということに気づかないということで、感染が広がりやすいという特徴があるということです。また、高齢者や基礎疾患を持っている方は重症化しやすいということと、インフルエンザと比較して肺炎を起こしやすいということを言っておられました。 特に、これは年齢層別の死亡者をちょっと調べてみたところ――ちょっとこれは8月ぐらいの数値なのでもう少し変わっているかもしれませんけれども、ゼロ歳から19歳までの死亡率はゼロ%であります。20歳から49歳までは0.14%、50歳から69歳まで――これは私も含みますけれども、これは1.4%、これが70歳以上になると10.9%というふうにはね上がります。 このため、指定感染症として感染症法の適用を見直し、ベッドなどの医療資源を重症者や高齢者に重点化するという方向性であるというふうに理解しております。 そうしますと、今後新型コロナウイルスの拡大が長期化するということになった場合には、先ほど申しましたように自宅待機がふえると思いますけれども、そのときに、高齢者や基礎疾患を持つ方、または幼児などの抵抗力の弱い方と同居している場合があるというふうに考えられますけれども、そのときの対応はどのようになっているのかをお伺いいたします。 ◎保健担当部長(木原眞弓君)  従来から、感染拡大により入院患者が増大したという場合には、重症者や重症化するおそれの高い方に対する入院医療の提供に支障を来すということがないように、要件を満たす場合には、宿泊施設や自宅での療養ができるようになっております。 自宅療養においては、ひとり暮らしで自立が可能な方、高齢者や医療・介護従事者が同居している場合においては同居者と生活空間を完全に分けられる方、またお風呂やトイレといった共用するところの感染予防が講じられる方、こういったさまざまな要件を満たす方について、そうしたことを考慮して自宅療養、宿泊療養、または入院措置といった調整が県により行われると思っております。 ◆18番(松川卓司君)  わかりました。 今後またいろんな形で、療養の方法とかそういったものは変わってくると思いますけれども、特に高齢者ですね、この方々に対する感染というのは非常に気をつけて――我々一人一人が気をつけることが非常に重要であると思います。ひょっとしたら私が今かかっているかもしれないわけですね。だから、普段の生活をしっかり注意しながら生活していくということが非常に重要になってくるというふうに考えます。とにかく感染をまず防ぐというのが第一であろうと思います。でないと、まだ特効薬もワクチンもできていないわけですから、重症化する可能性が非常に高いということでありますので、一人一人が気をつけること。特に、岩国市の場合は、ほとんど出ていないということで、逆にそれが1人でも出ると過敏に反応して――片山議員もおっしゃいましたけれども、いろんな誹謗中傷なんかも出てくる可能性もありますので、これから長期化すると思いますので、そういったことに十分注意しながら新型コロナウイルス感染症に対して対応していきたいというふうに思います。 また、今定例会において、議員の方から新型コロナウイルス感染症防止についてさまざまな質問がされました。今、新しい生活様式というものが提案されておりますけれども、これは新型コロナウイルスと向き合い、対処しながら考えていくものであると私は考えております。 第1波では、新型コロナウイルス感染症防止対策というものが非常に不明瞭で、その対処方法がわからなかったということで、接待を伴う飲食業に対しては休業を要請したり、その分、協力金や支援金を支給したりしました。また、売り上げが激減した企業や小売店、店舗に関しては持続化給付金または雇用を確保するための雇用調整助成金を支給して緊急経済対策を講じたわけですけれども、今のようにある程度新型コロナウイルス感染症の実態が少しずつ明らかになってきた現在においては、3密を避ける、それからマスクを着用する、ソーシャルディスタンスを保つというような形で適正に対処しながら、今度は経済活動を回復させるということが肝要であると考えます。 今後は、多分来年度は、法人税の減少も予測されます。ということになりますと、財政難というものも予測されます。今までのような目先の経済対策だけに税金を投入するということは、後世に大きな禍根を残すことになるということも考えられますので、今後は新型コロナウイルス感染症拡大が収束した社会を見据えて効果的な経済対策を考える必要があると思いますけれども、本市においてはどのように考えておられるのかお伺いいたします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  これまで本市におきましては、国・県の施策を補完する形で、中小企業の皆様方の雇用の維持であったり、事業の継続を願うということで、資金繰りの支援や雇用の安定の支援を行ってまいりました。 並びに、市民の方々に対しましては、いわくに特別応援協力金を初め、10月20日からはいよいよ岩国市プレミアム商品券の発行もスタートいたします。これにおいては、約20億円の経済効果もあるかと期待しているところでございます。 また、Go Toキャンペーン、いわゆるGo Toトラベル事業につきましても、観光地全体の消費を上げるということで、近々に地域共通クーポン券を発行するに当たり、全国的に加盟店の募集がスタートいたします。ぜひ、市内のお土産物店であったり飲食店であったり、それから観光施設はもちろんタクシー等の交通機関におかれましても登録いただいて、消費喚起へ向けての循環につきましてお願いしたいと思います。 それから、その上で、リーマンショック時におきましても、多分一定期間回復には時間がかかったと思います。新型コロナウイルス感染症収束後におきましても、やはり厳しい状況もあるかと思いますので――今後、ワクチン等もできまたら、環境が上向きになることも想定されると思いますが、いずれにしても、市内の経済団体の皆様のお声を聞きながら、そして市中の状況をしっかり注視しながら、経済対策をどのような形で打っていくかということにつきましてはしっかり協議してまいりたいと思っております。 ◆18番(松川卓司君)  この経済対策というのは非常に難しいと思います。本当にわからないと思います。というのは、全世界的に非常に経済が停滞しているということで、輸出に頼るとか輸入に頼るとか、そういったものではなくて、多分購買活動も随分変わってくるだろうし、キャッシュレスもより速度が速まるというような形になり、そういったことへの対策とか、さまざまな角度から考えて経済対策というものは打っていかないといけないと思います。ただ先ほど申しましたように、非常に財政的にも、随分今まで投資をしておりますので、効率的な対策というものが必要になってくると思います。 本市においては、6月に聞いたときには財政調整基金が21億円まで減少するということだったけれども、改善して45億円でしたか――たしか21億円から45億円になっていたと思うので、非常に努力されておられると思います。 特に、財政調整基金が40億円あるということは、例えば災害が起こったときには何とか対応できるというようなこともありますので、今、岩国市においての財政状況というのは非常に努力されているということであろうと思います。今後、新型コロナウイルス感染症対策というのは、各自治体がそれぞれの状況に応じてさまざまな施策を考えるべきで、国の画一化されたものとは別に、各自治体が考えるべきものであろうと思います。 それに対して、地元の経済界または地元の商店とか、そういったものも自助努力というものを忘れてはならないと思いますし、それを喚起するのが我々議員の仕事でもあるのではないかと思います。 また皆様の御意見を頂戴して、それを市に反映して効果的な経済対策を打つということも非常に重要になってくると思いますので、今後しっかりとお互いに頑張っていきたいというふうに思います。 それでは、次に、基地の機能強化についての考え方について、再度確認いたしますけれども、岩国市は、周辺の軍事的均衡を保つための国の方針や国防にある程度理解は示すけれども、そのために市民生活の安心・安全に悪影響を及ぼす場合には、基地の強化は受け入れないということですが、それでよろしいですか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  市長が壇上からもはっきり申し上げたとおり、今、議員がおっしゃったとおりでございます。基地機能の強化につきましては、地域住民の生活環境が悪化する、そういった場合には認められない、これが我々が基地機能強化として考える基本姿勢でございます。 ◆18番(松川卓司君)  それでは、先ほどの壇上からの答弁では、国政に協力する一方、安心・安全の確保を訴えることは自治体として当然の責務であり、地元の負担と協力に見合うだけの措置を獲得していくという答弁がございました。 岩国市並びに岩国市民は、国防に対して今まで最大限の協力をしてきた経緯があると思います。騒音に関しても1日の飛行頻度を考えると他都市と比較しても多大な負担を強いられるというふうに私は考えております。 また、平成30年3月には、米海軍の空母艦載機移駐が完了したばかりであります。しかしながら、今回の機種更新は、市民にとっては、非常に軽微なものではありますけれども、それは基地機能の変更が行われるということ自体、基地の今後の運用に対して非常に不安感を持っている市民の方が多くいらっしゃると思います。 そのほか、安心・安全対策も考慮に入れて、現実的な地域振興策や市民の負担に見合うだけの措置を講じるように、国にしっかりと交渉していただきたいと思いますけれど、市長の見解をお伺いいたします。 ◎市長(福田良彦君)  議員が御案内のとおり、岩国市はこれまで、議会ともいろいろな議論をする中で、国の外交施策を尊重し、そして協力してきました。その中でやはり市民の負担軽減のために安心・安全対策、さらにはこれまでの貢献への適切な措置としての財源確保また地域振興策等についても粘り強く国と協議をしてまいりました。その過程にあって、平成30年に審念熟慮の末に空母艦載機の移駐を容認した経緯もあります。 また、その前には沖縄の負担軽減を目に見える形でということで政府といろいろな協議をした中で、KC-130の受け入れをしたこともあります。 その中で、今回はF-35Bの機種更新になりまして、これについても幾つかの課題について国に照会をしております。騒音予測コンターもしかりであります。 また同時並行的に――これまで安心・安全対策について、今回の定例会でも議論になりました、店舗、事務所等への防音工事の対象の拡大、また期限が近づいてまいりました再編交付金の延長等についてもありますが、これについてもこれまで国防に理解を示されている議会また市民、そういった方々への措置としてしっかりと成果が出せるように、これも結果を出さなければいけないと思っていますので、議会とも連携しながら、そのあたりの課題についてはしっかりと国と協議をして、目に見える成果を引き出してまいりたいというふうに考えております。 ◆18番(松川卓司君)  基地に対する諸問題に対して、今まで随分、市民の方々も理解を示してこられたと思いますけれども、決してこれは盤石なものではないと思います。100%オーケーよということではなくて、これ以上の負担は容認できないというふうに考えておられる方はたくさんいらっしゃると思います。 今は、この安心・安全対策や地域振興策の微妙なバランスの上に成り立っているのが現状であろうと思います。まさに砂上の楼閣だろうと私は考えているんですけれども、今回のような軽微な更新が続くと、逆に大きな反対運動が起こる可能性も残していると私は考えております。 国に対して誠意ある対応を要望するに当たり、市長におかれましては、今まで以上に強い姿勢で要望していただくことをお願いいたしまして、一般質問を終わります。 ○副議長(片岡勝則君)  以上で、18番 松川卓司君の一般質問を終了いたします。 6番 中村雅一君。 ◆6番(中村雅一君)  6番 憲政会の中村雅一でございます。けさ、自宅を出るときに家内から温かい言葉をいただきました。「父さん、きょうは途中でとめられんさんなよ」というふうに、これは多分、叱咤激励でございます。頑張りますのでよろしくお願いいたします。 通告に基づき、壇上から一般質問を行わせていただきます。 コロナ禍の中、多くのことが活動の停滞を余儀なくされています。どれをとってもなくてはならない大切なものですが、未来に向けて、今を生きる者にとっての責務である文化財の保存について質問をさせていただきます。 通告の1、錦帯橋の保存活用について。 (1)バイク侵入事件について。 この事件を知ったときは我が子の背中をバイクが走ったような痛みを覚えました。錦帯橋に車両が侵入した事件は過去においてもあります。戦後のジープ渡橋、平成10年5月6日の軽トラックの侵入――このときの修理は約220万円の費用がかかったとされています。そして、このたびのバイク渡橋事件については、岩国市の発表や報道で全国に周知されました。 事件発生から現在までの対応と経緯についてお伺いいたします。 (2)健全度調査について。 昨年度行われました錦帯橋の健全度調査の結果と、それを踏まえた今後の方針についてお尋ねいたします。 (3)世界文化遺産登録に向けての取り組みについて。 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、委員会の開催ができず委員の先生方の御意見を取りまとめるのが難しい中、市としての登録に向けた取り組みはどのような状況かお聞かせください。 (4)技術の伝承について。 技術者の激減については以前もお伝えしました。その後、岩国市としても調査をされていると思いますが、その結果と今後の対応についてお伺いいたします。 通告の2、文化財の保存について。 岩国市には先人からの贈り物として数多くの文化財があります。国の指定文化財が20、県の指定文化財が44、市の指定文化財が117、これらは適切に保存されておられることでしょうが、将来に向けて保存していくのは大変な労力と資金が必要となります。 そこで、現在における岩国市に所在または保有する文化財についてお尋ねいたします。 (1)種別ごとの保存活動について。 文化財の種類は、有形・無形など多種ありますが、その個別の保存活動はどのようにされておられるのでしょうか、お伺いいたします。 (2)教育委員会の点検及び評価の文化財の次世代への継承について。 先日、お示しされました教育委員会の点検及び評価の文化財の次世代への継承についてお尋ねいたします。このたびの評価報告は昨年度と同様の報告となっておりますが、文化財の一部のみの報告となっております。この報告のみで評価Aとなるには、他の実績もあってのことと存じますが、補足があればお示しください。 (3)継承のための人材育成について。 文化財保護課における文化財の保存についても人材の育成は不可欠と思われます。現在行われている、また目指す人材育成の取り組みがあればお示しください。 以上で、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、中村雅一議員御質問の第1点目の錦帯橋の保存活用についてお答えいたします。 まず、バイク侵入事件についてでありますが、経緯を申し上げます。7月17日、午後6時40分ごろ、錦帯橋にバイクで侵入した者があり、第1橋から第5橋に通り抜けるという、あってはならない事件が発生いたしました。 私も、すぐにSNSを通じて、「市民の誇りであり宝である錦帯橋に損傷を与える許しがたい行為であり、重大な事故にもつながりかねない行為である」と発信したところ、市民の皆様を初め全国から励ましのお言葉を頂戴したところであり、心から御礼を申し上げます。 議員御質問の事件発生時の錦帯橋の毀損状況、そして、その後の対応につきましては、事件翌日の18日に状況の確認を行った結果、橋板322枚にタイヤ痕が付着していることを確認しました。 毀損状況は、すぐに山口県を通じて文化庁に報告しましたが、調査の過程において、このタイヤ痕が薄れるなどの変化がありました。このことから、過去の修復事例や保全方法を参考に、錦帯橋の文化財としての価値を損なわない復旧方法を検討するため、経過観察を行ってまいりました。 その後、今月1日の調査ではタイヤ痕が全て消えていることを確認し、この状況を文化庁に報告したところ、痕跡が消滅していることから本事件に係る手続は不要であるとの回答を得ましたので、これをもって文化財保護法上の対応を終えたところであります。 今後の対応につきましては、再発防止策を講じ、錦帯橋の保存管理に取り組んでまいります。 なお、錦帯橋にバイクで侵入した者については、7月21日に逮捕され、8月7日に文化財保護法違反の罪で略式命令を受けていますが、錦帯橋条例に基づく損害賠償請求に応じることについても同意を得ているところであります。 次に、(2)健全度調査についてでありますが、錦帯橋の健全度調査は、昭和28年の再建時から実施し、その後、昭和38年から、ほぼ5年ごとに行っており、昨年は8月5日から9日までの5日間で強度試験を、そして12月21日から24日までの4日間で老朽調査を実施したところであります。 両調査とも、学校法人早稲田大学理工学術院総合研究所の協力のもと、まず強度試験では錦帯橋の振動測定やたわみ測定などを行い、老朽調査では錦帯橋木部の腐朽に関する調査や腐朽につながる変状と範囲の調査などを行ったところであります。 調査結果につきましては、強度試験の結果として錦帯橋の安全性に問題はなく、老朽調査の結果として経年劣化は見られるものの、主要構造部材について内部腐朽などは認められないとの報告を受けており、この結果につきましては、ホームページで公表し、市民の皆様にもお知らせしているところでございます。 今後も健全度調査の報告をもとに、毎月実施しております錦帯橋橋守業務を通じて、経過観察と必要な補修を行うことにより、適切に維持管理を行い、錦帯橋を美しい形で安全に、できるだけ長い期間、保全をしていきたいというふうに考えております。 次に、(3)世界文化遺産の登録に向けての取り組みについてでございますが、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた取り組みの現在の状況としましては、これまでと同様に、まずは国がユネスコに対して世界遺産登録を推薦する候補を記載した暫定一覧表への記載を目指しています。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本年6月に開催が予定されておりましたユネスコ世界遺産委員会が延期されたことから、国がユネスコに推薦している資産の登録審査にも影響が生じております。 文化庁におきましては、この世界遺産委員会の延期に伴い、今年度の文化審議会世界文化遺産部会への世界文化遺産の推薦候補選定に関する諮問を行わないことを決定されています。 しかしながら、暫定一覧表に記載された資産からユネスコに推薦された資産を除くと、残りの文化遺産が5件となっている状況から、世界文化遺産部会の協議動向の把握に努めるとともに、引き続き文化庁に対して、暫定一覧表への記載について要望を行ってまいります。 また、平成30年12月には、新たな世界遺産暫定一覧表記載資産候補提案書を作成し、山口県とともに文部科学省に提出したところであり、資産である錦帯橋の保護はもとより、錦帯橋周辺のバッファーゾーンの保全に係る計画をこの提案書に反映させるため、現在、名勝錦帯橋保存活用計画や岩国城下町地区の文化的景観保存活用計画の策定を進めているところであります。 さらに、錦帯橋が有する顕著な普遍的価値に関する調査・研究に対し、有識者から意見や助言をいただいている錦帯橋世界文化遺産専門委員会につきましては、本年3月に予定をしていた会議の開催を延期しましたが、委員長を初め各委員とウエブ会議を通じて協議を重ねているところでございます。 今後につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の状況を注視しながら、関係団体等との連携や協力を図り、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた活動を継続してまいりたいと考えております。 最後に、(4)技術の伝承についてでありますが、錦帯橋の架橋技術の伝承については、技術者が経験を積む場や架橋技術を体験する環境整備が必要であると考えており、本市では、平成30年度から錦帯橋学校と錦帯橋橋守業務を実施しております。錦帯橋学校は、今年度、新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、やむを得ず中止としましたが、例年においては小学4年生から中学3年生までを対象に、夏休み期間に、木を利用した「ものづくり」の体験や錦帯橋の5分の1模型の組み立てを行っております。 子供たちに錦帯橋の構造を学んでもらい、木造技術に触れる機会を創出することにより、将来、技術者を目指すきっかけづくりができればと考えております。 また、錦帯橋橋守業務では、平成のかけかえ従事者で、伝統建築技能を修得され、一般社団法人日本伝統建築技術保存会の日本伝統建築棟梁資格を有する方に、毎月、橋の点検と軽微な補修を委託しております。 この業務を通じて、橋の状況を継続的に把握し、補修の要否を速やかに判断するなどの経験を重ねることにより、技術者の育成を図っているところであります。 また、本年7月の大雨により第5橋の橋ぐいの筋交いが流失しましたが、担い手育成の観点から、市内の大工技術者の方に復旧工事施工の際に携わっていただいたところでございます。 錦帯橋の架橋に携わる技術者につきましては、大工や石工を初め多くの職種があり、大工については平成26年2月の錦帯橋みらい計画基本計画策定時と平成31年2月に人数等の状況を調査しております。 調査の結果として、技術者の減少が進んでいることを把握していますが、全国的にも若年者の労働力不足や少子高齢化などの理由により、同様の状況であると伺っております。 こうした状況を踏まえ、現在、策定を進めております名勝錦帯橋保存活用計画におきましては、技術の伝承の手法や技術者の状況把握についての検討も行っているところでございます。 本市におきましては、今後も世界文化遺産登録の推進を初め、市民の宝である錦帯橋を将来にわたりよりよい形で引き継ぐよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の文化財の保存についてお答えいたします。 まず、(1)種別ごとの保存活動についてですが、現在、岩国市における文化財の種別につきましては、大きく分けると、有形文化財、無形民俗文化財、記念物、埋蔵文化財があります。 このうち主な保存活動は、有形文化財の建造物は建物維持管理が主となり、美術工芸品などは適正管理や防災管理が主となります。また、無形民俗文化財につきましては伝承者やその団体への助成などを通して保存活動の支援をしております。 さらに、記念物には、史跡、名勝、天然記念物、特別天然記念物が含まれますが、これらにつきましては保存活用計画作成を検討するなど、よりよいあり方を検討しながら保護・保存に努めております。 なお、埋蔵文化財につきましては、開発行為を伴う発掘調査、遺跡の有無を確認する試掘調査などを行うことで、文化財の保護・保全を図り、あわせて開発等への影響をできる限り軽減することにより保存に努めております。 次に、(2)教育委員会の点検及び評価の文化財の次世代への継承についてですが、本点検評価につきましては、文化財の次世代への継承のため、行事などにおける経年変化を見ながらどのように将来に引き継ぐか、文化財の保護・保存と活用の推進、今後の人材育成へつなげていきたいと考えております。 また、昨年度の実績として掲載している内容は、文化財の次世代への継承のうち代表的なものを取り上げておりますので、特に子供たちや地域住民に密接にかかわっている内容を掲げております。 このほか掲載できていないものといたしましては、文化財の指定・選定による保護の推進、修理相談及び対応、防災対策に対する助成、巡視活動、普及啓発看板の管理、文化財防火デーの啓発活動、埋蔵文化財の確認及び開発指導、その他補助事業等の各団体への情報提供や受け付け、地域等における文化財講話の実施、各団体が行う行事の現状把握、国・県との連携による文化財の展示と周知など、幅広く活動をしております。 最後に、(3)継承のための人材育成についてですが、人材育成のために有効な技術を生かす場の提供を考えますと、例えば、建造物の保全などにつきましては、職としての人材確保の手段を生み出す必要が生じてきますが、現在、本市において指定された文化財・建造物については個人所有のものが多く、市所有の文化財には限りがあることから、人材育成の職の創出は小規模なものとなっています。 今後とも関係機関とも連携し、できる限り場の提供を行うよう努めていきたいと考えております。 また、教育委員会としましては、文化財の価値づけや保存管理の方向性を判断できる専門家を確保することも目指しておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆6番(中村雅一君)  それでは、議席から再質問をさせていただきます。 まずは、バイク侵入事件について再質問をさせていただきます。 この事件について、SNSで改修には多額の費用がかかるとの情報が飛び交い、根拠のない金額がひとり歩きをしました。 その中、自然と消えていくタイヤ痕について、岩国市の対応と勘違いされた工事の金額に世間から非難の声が上がっています。こうしたSNSでの声は把握していたのでしょうか。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  議員御案内の内容についてでございますが、一部報道のほうから、岩国市のホームページのほうに掲載しております平成のかけかえ時の橋板1枚の平均金額から損害額を推計された報道が出ました。これを受けてSNS等でいろいろな声が出たということは承っております。 ◆6番(中村雅一君)  確かにあの金額では材料費のみで工事金額となっておりません。本当に腹立たしいようなうわさでした。 全国からの励ましのお言葉をいただいた中、岩国市の対応と勘違いされた修理費に対して一部非難が上がったことは大変残念です。このような誤解のないように、経過観察の経緯についてSNS等を活用し発信していただければと思います。 このたびの事案に対して、岩国市民有志による清掃活動でタイヤ痕を消していくという手法もなくはなかったかと思います。市民に守られている錦帯橋として世界中に発信する絶好の機会でもあったし、世界文化遺産に向けての活動として提案書に記載できたのではないかと少し残念です。 今後のために、文化庁に対し柔軟な対応を検討していただけるよう、報告書を上げていただけるよう御検討をお願いいたします。 次に、健全度調査について再質問をさせていただきます。 腐朽調査の結果、健全であるとのことでしたが、橋板からの漏水状況及び渡橋者の安全にかかわる高欄の腐朽状況についてはいかがでしたでしょうか、お伺いします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  昨年の老朽調査報告書におきましては、橋板からの漏水状況については、橋板の継ぎ目のふぐあいから裏面のほうに雨水浸入が起こっておりました。 また、老朽調査後の保全工事におきましては、この雨水状況につきまして、全5橋にわたって365カ所ありましたもので、これについて防水処理を行って現在は経過観察を行っております。 それから、高欄の状況でございます。これにつきましては、報告書では高欄の変状のほとんどは割れやカビ、水しみであり、打診検査時におきましては、異常が確認された箇所においても内部腐朽は生じておらず、健全な状態であるとの報告を受けております。 しかしながら、これまで防腐処理は行っていないことから、高欄の部分につきましてもこのたび防腐処理を行ったところでございます。 そして、議員御案内の安全面につきましてですが、高欄金物の取りつけ状況の確認を行い、ボルトの増し締め等を実施しており、毎月の橋守業務の中においても、このあたりにつきましては適正に安全管理を行っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  前回の昭和の再建のときのかけかえから、その17年後に橋板の張りかえが行われております。既に19年たっておりますので、調査のほうをよろしくお願いいたします。 それでは、(3)世界文化遺産の登録に向けての取り組みについて再質問をさせていただきます。 文化庁に対し暫定一覧表への掲載について要望を行われていますが、現在まで何回要望を行っておられるのでしょうか。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  岩国市から文化庁への直接の要望は行っておりませんが、現在、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けて、協力・支援をいただいております山口県を通じて、文部科学省に対して錦帯橋の世界遺産暫定一覧表への追加記載等についての要望を4回実施しております。 ◆6番(中村雅一君)  文化庁に届くような提案書をよろしくお願いいたします。 それでは、イコモスアドバイザーであられたミシェル・コット氏の助言で、無形文化遺産の真実性を証明するのはどうかという、このことについて検討はされておられるのでしょうか、お伺いします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  現在、錦帯橋は有形資産である世界文化遺産への登録を目指しているところでございます。 議員御案内の無形文化遺産というお言葉でございますが、これにつきましては、これまで有識者と協議を行う中で、錦帯橋が有する顕著な普遍的価値に関する調査・研究において提案書内で整理している有形の価値のみならず、かけかえを行いながら錦帯橋があり続けてきたということに伴う知識や技術の継承などの真実性につながる無形の要素についての検討を行っているところでございます。 ◆6番(中村雅一君)  無形というものは形がないものを証明するということですから、かなり難しい作業であります。そのようなところは一生懸命、頑張っていただければと思います。 それでは、次に、(4)技術の伝承について再質問をさせていただきます。 錦帯橋学校では、将来、技術者を目指す若者のきっかけとなればと、ものづくりの体験をする場として大変有意義な取り組みをされておられると思います。新型コロナウイルス感染症が終息後、再開をお願いいたします。 錦帯橋の架橋にかかわる職人の育成について、橋守業務の委託をされているとのことですが、何名の方に委託されておられるのか、お尋ねします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  現在、錦帯橋の橋守業務につきましては1社に委託しております。毎月の点検の実施の際は市の職員も複数名、同行しております。
    ◆6番(中村雅一君)  多分、橋守業務とは前回のかけかえを経験した者と思いますけれど、たしかそれだと1人です。錦帯橋をかけかえるには1人ではとても無理なんですけれど、そのほか業種もたくさん要ります。多業種に広げたような橋守業務というのを考えておられるのでしょうか。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  市といたしましては、技術者の減少が進む中、錦帯橋かけかえ技術の根幹となります大工技術を地域で継承することを第一とし、御案内のように錦帯橋学校や錦帯橋橋守業務を進めているところでございますが、他の業種の技術者を増員することについては、現在、検討させていただいております。 ◆6番(中村雅一君)  1人ではできない、また1業種でもできないという大変な工事であります。広く窓口を広げて育成をされることをお願いいたします。 現在における技術者の数はある程度、調査をされておられるようですが、次期かけかえに対応できる技術者の人数はどの程度とお考えでしょうか。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  以前のかけかえにおいては15人程度が従事されたというふうに伺っておりますが、先般のかけかえにおいて岩国市錦帯橋修復検討委員会というのを設けているというふうに聞いております。 この中では文化庁の専門家や学識経験者、そして市民団体、観光、商工関係の方々と一緒に検討していくと考えております。こういったところでどういった工法がいいのか、どういった人数がいるのかというのをしっかり協議しまして、検討していきたいと考えております。 ◆6番(中村雅一君)  工事の人数については、昭和の再建の報告書、または平成のかけかえの報告書の中に人数等は掲載されております。そして大工の人数なんですけれど、架橋当初は35人おりました。15名というのは後半の絞られた人数になりますので、よろしくお願いします。 伝承するための指導者というのが必要と思われます。その指導者の把握はお済みでしょうか。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  平成のかけかえの従事者の中で一部の大工の方、それから和くぎの製作をされた鍛冶の方につきましては、これまでも意見交換を行っております。そして協議をしっかりと行える状況でございますので、今後も必要に応じて実施してまいります。 ◆6番(中村雅一君)  人の命には限りがあります。経験者もいずれ年をとっていなくなりますので、なるべく急いで対応をしていただきたく思います。 それでは、文化財の保存についての再質問をさせていただきます。 文化財の現状を把握するため、少し細かく質問をさせていただきます。現在、岩国市所有の文化財の数はどのぐらいあるのでしょうか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  岩国市所有または管理の文化財の数でございますが、国指定が5件、県指定が7件、市指定が4件、それから登録文化財が10件、計26件でございます。 ◆6番(中村雅一君)  ここからは、岩国市所有の文化財についてお尋ねいたします。 有形文化財のうち建造物の管理状況は適切に行われておられると存じますが、保存活動についての現状をお聞かせください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  それぞれの文化財について巡視員を配置しておりますので、巡視を行いまして修理等が必要な場所については所管課と協議しながら、修繕を行いながら保存・管理をしているという状況です。 ◆6番(中村雅一君)  岩国市だけではなく、国・県もされておられるのでしょうから、大変な作業と思いますけれど、よろしくお願いいたします。 無形民俗文化財の管理状況及び伝承方法は先ほど御答弁いただきましたが、これらに対する問題と課題をまとめておられるのならお示しください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  問題としましては、少子高齢化などによって担い手が減少していることかと考えています。 今後の課題としまして、地域において伝承されているものの魅力等をしっかり周知して、後継者の育成を図ってまいりたいというふうに考えています。よろしくお願いします。 ◆6番(中村雅一君)  よろしくお願いいたします。 それでは、美術工芸品や文化財の価値を証明する古文書などの管理状況についてお尋ねいたします。 また、岩国市には、市所有の災害に強く保存に適した環境整備が整った博物館や美術館などがなく、これまでにお尋ねした建造物以外の文化財を十分とは言えない施設で保管しておられます。収蔵保管施設改善計画が必要と思われますが、お考えがあればお示しください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  美術工芸品等につきましては、ただいま徴古館等で収蔵庫を持っておりますので、そこで管理・保管している状況です。 それから、収蔵保管施設改善計画でございますが、昨年度と今年度、2カ年かけて博物館等施設再整備計画を策定しておりますので、この計画の中で改善が図れるよう協議していくこととしております。 ◆6番(中村雅一君)  現在、保存されているものは、たしか江戸時代の倉庫が大半だと思います。耐震性もない建物ですので、改善計画のほう早目に進めていただければと思います。 それでは、記念物については、史跡、名勝、天然記念物、特別記念物とあります。天然記念物、特別記念物につきましては、次世代への継承として報告されております。史跡、名勝について、文化財保護課としての取り組みがあればお示しください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  史跡、名勝につきましてはさまざまございますが、できるだけ原形をとどめるよう、保護・保存に努めております。 今後とも、所管課と協議をしながら継続して保存・管理に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(中村雅一君)  史跡、名勝については、どのようにしたらいいかというのは大変難しい問題も多いと思いますので、ぜひ十分な御検討をお願いいたします。 また、文化財を保存・管理し、御答弁のとおり後世へ残すためには、文化財の価値づけは保存・管理の方向性を判断できる人材の確保・育成が重要な課題ですが、現在における状況は適切でしょうか、お尋ねいたします。 ◎教育次長(三浦成寿君)  現在、幕末を中心とした文献の専門家であります学芸員3人と考古学を専門とする文化財専門員が1人配置をされております。 必ずしも十分とは言えませんが、今後、壇上でも教育長が申し上げましたが、そうした専門家が必要だというふうには認識しております。できるだけ確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆6番(中村雅一君)  人はすぐには育たないというのはよくわかりますので、地道な補充・拡充をよろしくお願いいたします。 文化財に特定して質問をさせていただきましたが、芸術や芸能についても同様に伝承していかなくてはならないものです。これらは人々に心の安らぎや活力を与え、人類の発展にはなくてはならない宝物です。 そして、これらを伝えるのは人です。岩国市は錦帯橋という世界に誇れる文化財を持ち、今日まで伝えてきました。こうした実績を持つ岩国市は、文化財を守り伝える人材の育成はそれほど力を入れずとも成し得たような風潮があります。 しかし、日本中の技術者が激減している中、本市も例外ではありません。岩国市独自の人材を育成するシステムを構築し、全国の模範となるような取り組みをしていく時が来ているのではないでしょうか。錦帯橋の世界文化遺産登録を目指すには、これは避けては通れない課題です。 市長にお伺いいたします。文化財を活用した人材育成システム構築の御検討は可能でしょうか。また、錦帯橋の世界遺産登録へ向け、市長にさらなるリーダーシップをとっていただき、岩国市の活力となる指標を立てていただくことを御検討願えないでしょうか。 ◎市長(福田良彦君)  やはり錦帯橋を初めとするさまざまな文化財、これはやはり、この岩国市の歴史とか文化を証明する大切なものであります。しっかりそういったものは次の世代に守りながら引き継ぐことは非常に大切だというふうに思っております。 しかしながら、きょうの議論の中でも、その技術者が減少しているということも大きな課題であろうかなというふうに思っております。 昨年、議員のほうからも金沢の職人大学校の例を挙げられました。やはりそこにも大きなヒントがあると思いますので、私も時間をとって訪れてみたいというふうに思っております。 それと、錦帯橋の世界文化遺産登録に向けての活動については、今、県と行動をともにしておりますが、議会のほうでも議員連盟が立ち上がっておりますので、議会とも連携しながら、文部科学大臣のほうにも文化庁も含めて要望活動をしっかりやっていくことが必要だと考えております。 同時に地域でも、やはり啓発セミナー、いろいろな情報発信、これも同時にやっていく必要性も感じておりますので、コロナ禍であってもそのような活動は途切れることなく発信していきたいというふうに考えております。 ◆6番(中村雅一君)  市長のさらなるリーダーシップをお願いいたします。新たな生活様式を求められる中、新たなアイデアをもって文化財を未来へ残す道を市民とともに探求していきましょう。 以上で終わります。 ○副議長(片岡勝則君)  以上で、6番 中村雅一君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時31分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後3時    再開 ○議長(藤本泰也君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 9番 重岡邦昭君。 ◆9番(重岡邦昭君)  9番 市民クラブ・草の根 重岡邦昭、一般質問を行います。 まず、決算額約1,040億円の支出に対する景気・雇用対策との相関関係についてお聞きをいたします。 特別枠の再編交付金や、基地に起因する防衛省の高率な補助事業、また、岩国錦帯橋空港を初めとする交通結節点での優位性、工業・農業に必要な錦川を抱える優位性など、山口県内トップを走るまちづくりができていなければならない岩国市であります。 市長は就任以後、若者の定住に期待するも政策は追いつかず、多くの若者は働く場、学びの場を市外に求め、現在人口は13万3,000人と合併後約2万人減少し、県内で最も人口減少が進んでいる町になっております。 人口減少に伴い消費額は落ち込み、特に岩国市の製造業は弱く、直近のGDPでいえば約5,300億円と、県内13市でいえば上から6番目と低迷をしております。 ついては決算額約1,040億円の使い方と、活気あふれる町につながる景気・雇用対策との相関関係についてお聞きをいたします。 次に、岩国市中央公民館建てかえについてお聞きをいたします。 平成25年度の耐震診断で、地震により倒壊する危険性が高いと判定され、平成28年度に基本構想が策定されました。 建てかえに当たり、今年度中には基本計画を策定する必要があり、中央公民館を利用する自治会や団体等に案内を行い、7月に交流スペースの使い方について、8月には周辺環境について、2回の意見交換会を行っております。 多くの利用者が出席しての意見交換会であったようですが、2回とも教育委員会主導で、質問に対し十分な説明もなく、参加者が言うには、既に基本計画はでき上がっているのではないか、我々はアリバイづくりに利用されているのか、本当に基本計画やその後の基本設計に我々の意見が反映されるのか不安になる、そのような訴えをされております。 ついては、今後のコンプライアンスも含め、供用開始までの課題と対応についてお聞きをいたします。 次に、F-35Bの機種更新及び4機追加配備の留保についてお聞きをいたします。 平成29年1月、10機のF-35B戦闘機が米国岩国基地に初配備されました。初配備に向け、福田市長は米国アリゾナ州ユマ海兵隊基地に行き、騒音測定器を使わず、交代するFA-18、AV-8B戦闘機と比較し、体感で騒音の差異はなく問題ないと安易に容認をしております。 さらに同年11月には6機追加配備され、合計16機が今、米国岩国基地に駐留をしております。 さらに国は先月26日、ことし10月より新たに戦闘機FA-18、12機を、F-35B、16機に機種更新することで、4機の追加配備をすると通告してきました。 これを受け、市長は騒音被害による生活環境への影響について国に文書照会し、議会も国に全員協議会での説明を求め、9月24日には全員協議会を行うことになっております。 ついては、全員協議会に臨むに当たり、F-35B、16機更新による4機追加の是非の、市の判断基準を作成し、その後、国の示す騒音予測コンターによる、基地周辺住民の生活環境へ及ぼす影響と比較し、精査することが大事であるというふうに思っております。 いま一つは、FA-18とKC-130の事故最終報告書もやっと完成し、再発防止対策も緒についたばかりであり、我々には今後の進捗状況を見守り、検証していく重要な責務がまだ残っております。 ついては、これらの検証が終わらぬうちの、ことし10月から始まる16機のF-35Bへの機種更新、追加配備については時期尚早と言わざるを得ません。市長にはぜひとも留保という英断を下していただきたいと思います。所見をお聞きいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、重岡議員御質問の第1点目の令和元年度岩国市一般会計・特別会計決算についての約1,040億円の支出に対する景気・雇用対策との相関関係についてお答えいたします。 本市の令和元年度の決算は、一般会計の歳出決算額が約696億4,346万円、特別会計の歳出決算額が10会計で約343億4,232万円、一般会計と特別会計を合わせると約1,039億8,578万円となっております。 令和元年度に実施した主な事業としては、総合支所等整備事業や岩国駅周辺整備事業、多目的広場・防災センター整備事業、東小・中学校施設整備事業などの公共施設の整備を初め、小中学校学校給食運営事業やこども医療費助成事業などの子育て支援施策、防犯設備整備事業やポンプ場整備事業などの市民の安心・安全のための施策など、数多くの事業を実施しています。 市が実施するこれらの事業は、雇用の維持や市内経済の活性化に寄与する面もありますが、本来はまちづくりとして必要な施設の整備を行うことや子育て支援など、住民福祉の向上を目的としております。 本市のまちづくりについては、平成27年度に、人口減少の抑制と地域活力の向上に向けて、令和元年度までを計画期間とする第1次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、具体的な取り組みを実施してまいりました。 この総合戦略においては、基本目標2として、「持続的な産業振興に向けて、企業誘致や既存企業の新たな投資を軸として、若者、とりわけ女性の就業ニーズに応える雇用の拡大を図るとともに、新産業の創出や、新たな起業、若者の就業の支援を行います。」などと、「産業振興によるしごとづくり」を掲げており、その目標の実現に向けて取り組んでまいりました。 この基本目標2に対しては、数値目標として「従業者数」を設定し、令和元年度の目標値3万6,700人に対して、実績は3万5,571人となりましたが、基準となる平成26年度の実績値3万4,298人を上回っておりまして、一定の成果を上げているものと考えております。 総合戦略については、昨年度、計画期間が終了したことから、これまで取り組んできた地方創生について、継続を力にするため、切れ目なく第2次岩国市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定しております。 今後も、この第2次総合戦略を初め、総合計画に掲げるさまざまな取り組みを総合的に推進することにより、本市の地域の活性化や住民福祉の向上に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第2点目の岩国市中央公民館建てかえについての(1)今年度作成される基本計画と令和7年供用開始予定までの課題と対策についてお答えいたします。 現中央公民館は、昭和46年度から47年度に建設され、48年が経過しております。 中央公民館の建てかえにつきましては、平成25年度に実施した耐震診断で、地震の振動および衝撃に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高いと評価されたことを受けて、平成26年度に岩国市中央公民館整備検討委員会で、大規模改修を伴う耐震補強か建てかえかの検討を経て、平成27年度に策定した岩国市総合計画まちづくり実施計画で建てかえという方向性が示されたことを受け、平成28年度に岩国市中央公民館等建設基本構想を策定しております。 この基本構想では、施設の利用実態や現状分析のほか、新しくできる公民館に対して整備してほしい施設や機能などのアンケートを、利用者を初め近隣の高校にも協力を仰いで実施し、幅広く市民の皆様の御意見をいただきました。 その後、用地交渉等に時間を費やし、期間があきましたが、現在策定しております岩国市中央公民館等建設基本計画において、施設の現状と課題、基本理念・基本方針、求められる機能など、設計の前提となる基本的な考え方の整理を行っております。 また、ワークショップを7月と8月に行い、主に施設の利用団体や関係者から多数の貴重な御意見をいただいております。その結果を次の中央公民館等建設基本設計業務の発注に反映させるべく、今月末に基本計画が完成する予定となっております。 なお、施設の建設に係る概算の工事費につきましては、この基本計画において積算しているところです。 次に、今後の予定ですが、今月末完成予定の基本計画の内容について、でき上がった計画を市民の皆様に公表し、御意見をいただくため、住民説明会を11月に開催する予定としており、そこでいただいた御意見についても、今後の基本設計、実施設計において反映できるものはしっかりと取り入れてまいりたいと考えております。その後、今年度中に基本設計を発注し、令和4年度中に実施計画を発注する予定としております。 また、令和4年度には施設の解体工事に取りかかり、令和5年度から6年度にかけて建設工事を行い、令和7年度のできるだけ早い時期での利用開始を目指しております。 現在中央公民館で活動されている団体には、この建てかえ期間中は施設を利用することができなくなり、大変な御不便をおかけすることになりますが、代替施設の紹介を初めとして、きめ細かな支援を行っていくこととしております。 今後も市民の皆様の御意見や御協力を仰ぎながら、御期待に沿える建物になるよう建てかえを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  第3点目の米軍岩国基地機能強化反対についての(1)今年度10月から始まるF-35Bの機種更新及び4機追加配備の留保についてお答えします。 まず、今回の機種更新につきましては、先月13日に国から説明したいという打診があり、その後、スケジュールの調整を開始し、先月26日にその内容について説明を受けたものでございます。 その要旨については、本年10月以降、岩国飛行場のFA-18ホーネット部隊が、F-35Bへ機種更新を開始する予定であるというものであります。 市といたしまして、今回は、空母艦載機移駐のように新たな部隊の追加を含む大きなものではなく、航空機は4機増加いたしますが、部隊数には変更がないため、体制に大きな変化はないものと考えております。 しかしながら、市民の皆様の中には、航空機の騒音や安全性などについての懸念もあることから、更新に当たっては、基地周辺住民の生活環境への影響を把握するため、先月27日に、国に対し文書照会や騒音予測コンターの作成を求めたところです。 また、先月、公表された事故再調査報告によりますと、当該事故を起こした第242海兵全天候戦闘攻撃飛行隊では、今後、人事配置方針が変更されることとなっておりますが、既に常駐しているF-35B及び今回機種更新される両部隊にもその方針が反映されるのかどうかについて、市長から国に質問したところ、国からは、現在米側に対して情報提供を求めているところであり、その情報が得られれば、速やかに説明するとの回答がありました。 御承知のように、本市の基地政策の基本姿勢は、国の安全保障政策を尊重し、基地の安定的な運用に協力するとともに、その運用に当たっては、住民が安心して安全に暮らせる環境が確保されるよう、国及び米軍に対し引き続き細心かつ最大限の配慮を求めていくものであります。 議員から時期尚早との御指摘ではございましたが、今回の機種更新は、本年10月以降に開始される予定となっており、以降、段階的に行われ、全ての部隊運用が完了するまで、一定期間を有することとなっていることから、市といたしましては、更新開始の可能性のある10月までに対応する必要があるものと思っております。 また、検証においては、「基地機能が変更される際には、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できない」という基地政策の基本姿勢に照らして精査してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今回の更新に当たりましては、基地周辺住民の生活環境への影響をしっかりと把握するとともに、現状の部隊数などに大きな変更がないことや、我が国を取り巻く安全保障環境なども考慮しながら、総合的に判断してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆9番(重岡邦昭君)  それでは、順不同で、中央公民館の建てかえについて再質問をいたします。 9月までの基本計画策定ということになっているんですが、それにしては7月、8月のワークショップ開催、この時期に問題があったのではないかというふうに、私は感じております。 つまり、参加された方々が思われたのは、そのことによって形だけのワークショップと捉えられたのではないかなというふうに、私は感じております。 となれば、今回のそうしたワークショップの進め方、つまり教育委員会の事務の進め方、コンプライアンスに問題があったのではないか、そういうふうに私は考えているんですが、教育委員会はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 ◎教育次長(三浦成寿君)  1回目のワークショップにつきましては、この基本計画を検討する際に、いろいろな市民の皆様から共有スペースをつくってほしいという要望、御意見がたくさんあったということから、今回、その共有スペースというものを設けた計画としております。 その共有スペースというイメージが、設計を委託しております業者のほうにも、我々のほうにもなかなか湧かない部分もあるので、再度市民の皆さんの御意見を聞きながら、ここの共有スペースについてどのように活用できるのか、そういうことについてのワークショップを開かせていただいたということであります。 それからもう一点、景観的なものについて、この公民館の外観がどのように周囲に溶け込めるかというようなことについて、2回目のワークショップを開かせていただきました。それぞれ御意見をいただいたということで、今回のワークショップの御意見は、今後策定予定の基本設計とか実施設計あたりに生かしていくことができると考えておりますので、そういう流れから見ると、遅かったということではないと考えております。 ◆9番(重岡邦昭君)  今、遅かったとは思っていないというふうに言われましたが、私からすると9月の策定ですから――8月に2回目ですね、ちょっと時間が足らないのではないか、十分な精査ができないのではないか、基本計画に意見が入れ込められないのではないかという不安はちょっと感じました。特にコンプライアンスの問題がちょっとあるのかなというふうに思いました。それで、今のところコンプライアンスに問題はないと自信を持って言われましたので、そこはしっかりと意見を反映させていただきたい。 その上で、先ほどスペースをどのように使うかという話が出たんですが、これは今までの4階建てから3階建てになったということで、かなり全体の容積が小さくなってくる。したがって、今までの利用者が使いづらくなるんだということは想定できます。 そこで、私がちょっと聞きたいのは、4階建てから3階建てになったその理由が、建築基準法とかによる高さ制限あるいは容積率、建蔽率の問題、そうしたものが問題があって4階建てから3階建てに持っていったのか、あるいは事業費がなかなか思うように集まらないということで、今のように建物全体を小さくしたのか、どちらなんでしょうか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  現施設においては4階建てで、今回計画したのは3階建てということについて、錦帯橋にも近いということから、周囲の景観にも溶け込み、景観をできるだけ壊さないという外観で検討しております。公共施設として必要な部屋数とか、想定の利用人数からの各部屋の廊下など、必要面積等を算出した結果、延べ床面積は約3,000平米ということにしております。必要とされる十分な機能を確保した上で、同等の床面積を3階建てで計画しています。低層でより使いやすい建物になると思っております。これまでの4階建ての公民館と床面積としてはほぼ同等であります。 ◆9番(重岡邦昭君)  わかりました。容積率そのものは変わらないから、利用者にとって今までどおりの形で使えるということで、今説明がありました。どういうスペースで今度は利用するか、そちらのほうにシフトしてくるんだということですね。ちょっとそのあたりが、聞き及ぶのに、どうも十分理解されていないというふうに感じました。 これからも、9月以降の――11月ですか、計画を示して意見をまた取り入れる、そのときにまたしっかりと説明して、後でいろいろ苦情が出ないように、お願いをしておきます。 それで、ちょっと気になることがもう一点ちょっとあったんですが、今回プロポーザル方式により周南市の業者がとっております。それで、建設基本計画策定業務がたしか1,100万円程度だったと思うんですが――私もよくこれを確認せずに質問するので、もし誤解があったら指摘をしていただきたいんですが、なぜ指名競争入札にされなかったのか、岩国市にそういった業者がいなかったのか、私はちょっと解せないんです。13万3,000人のこの大きな町に、周南市からわざわざ来てもらわなくても、十分にやれる企業は何社かあったというふうに私は確信しているんですが、なぜプロポーザルにしたのか、指名競争入札にしなかったのか、ちょっとそこが疑問になっております。 あわせて今後の基本設計、実施設計においては、ぜひ岩国市の業者に頑張ってもらいたいというふうには私は考えているんですが、そのあたりの計画まで立っておれば、ひとつお示しいただいたらというふうに思うんですけれども、よろしくお願いいたします。 ◎教育次長(三浦成寿君)  まず、どうしてプロポーザル方式であったかという御質問ですが、議員御案内のように、この中央公民館については、図書館とか出張所とか、市民活動支援センターもありますが、いろんな施設が複合してできている施設であります。そうした中で、建てかえに当たっては、建物の配置計画や建設関係の用地の確保とか、建設中の各施設の仮設の事務所とか、移転計画が複雑に絡み合うということで、高度で専門的な技術力とか企画力、そういうものを必要としておりました。そういうことを考えたときには、経験を豊富に持つ事業者の企画力、発想力、技術力等に基づいて業務の実施方法等をお聞きして、仕様を決定するというほうが、よりすぐれた成果が上がるものというふうに考えて、プロポーザル方式にさせていただきました。 それから、今後の基本設計、実施設計に向けての、業者の選定に当たっては、現段階ではまだちょっとどういう方向かというのは検討されておりませんので、申しわけありません。 ◆9番(重岡邦昭君)  岩国市はすばらしい町である、つまりいろんな優秀な企業が存在するというふうに私は認識しておりました。しかしながら、今の答弁からいけば、たかだか――たかだかと言ってはいけないんでしょうが、1,100万円程度の基本計画をつくる業務に、岩国市の業者が参加できないという、そういう力不足があったのか、ちょっと残念なところがあるんです。実際には岩国市にそういう業者がいたんだけれども、何かの問題があってなかなか応募し切れなかった。複合施設であったから、総合的にそこを賄える業者がいなかった。しかし、それにしても、岩国市内の企業がとれなかったということはちょっと残念な気持ちがしております。 現実問題としてもう進んでいるので、ぜひ私がここで訴えたいのは、今後の流れとしては、岩国市の企業がとれる体制づくりを考えていただきたい。それを切に願っておきます。 それでは、次に、F-35B配備について再質問をいたします。 市長は今回、防衛省に騒音予測コンターを請求しております。そこで確認しておきますが、防衛省は平成18年以後、2回の騒音予測コンターを岩国市に示しております。1回目が平成18年7月で、作成基準が、滑走路の沖合移設後、空母艦載機59機が岩国基地へ移駐し、かわりに海上自衛隊が厚木基地に移駐していくということで作成され、もともと確定していた住宅防音工事の助成対象となる第一種区域1,600ヘクタールが500ヘクタールになるんだというふうに防衛省は示しております。 ところが、2回目の平成29年1月には、空母艦載機59機が61機になって、2機増加しているわけです。そしてF-35B、16機が機種更新されております。また、海上自衛隊が移駐することになっていたのが変更され、残留することになりました。ということで、第一種区域は、第1回作成時の500ヘクタールから150ヘクタール大幅に増加して、650ヘクタールになりました。 ついては、650ヘクタールの内訳について答えてください。わかりますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  済みません、650ヘクタールの内訳は、どのような観点からの内訳で答弁したらよろしいですか。 ◆9番(重岡邦昭君)  先ほど言いましたように、2回目は空母艦載機59機が61機、2機ふえていますね、これが1つ。F-35B、16機に機種更新されています、これが2つ。そして、海上自衛隊が残留をする、この3つが主な理由です。それで150ヘクタールふえて650ヘクタールなったんだと。それについては、この大きな3つの変化によって、それぞれの面積の増加――この3つを足して150ヘクタール増加したんだということを考えているんですが、そういう積算をされていると思うんですけれども、答えてください。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  平成29年1月に作成いたしました騒音予測コンターでございますが、先ほど議員から御案内がありましたとおり、空母艦載機の移駐に伴うものでございますが、この作成した基礎となるもの――これは当然、航空機があるわけですが、空母艦載機61機、それからこのときに既にF-35Bが配備されておりましたから、この16機が当然この中に盛り込まれていました。それから海上自衛隊につきましても、これが厚木基地に行く予定であったものが残留したということでございますから、海上自衛隊もここに入ってきました。  こういう変化が平成18年7月から比べればあったわけでございまして、そのときの予測コンターがあったわけでございますから、こういったものが条件として加味されて騒音予測コンターが作成されたということでございます。そのような答弁でよろしいでしょうか。 ◆9番(重岡邦昭君)  答弁漏れなんだけれど、わからないならわからないと言ったほうがいいんです。 つまり、さっきの3つの大きな要因によって150ヘクタールの住宅防音工事区域が拡大しているわけです。だから、その3つを足したものが150ヘクタールということになるので、本来ならば数字があるんです。私がなぜ聞いたかといったら、これから質問するのにその根底となる大事な数字だったんですが、把握されていないので、これは改めて、できたら次の全員協議会までにわかれば教えてください。 今の質問について、何が聞きたかったことなのかといいますと、つまり第2回目の150ヘクタール増加したときの騒音予測コンターでは、F-35Bの機数が16機で計算されているんです。このたび市民団体からの指摘で、ことし4月から8月まで20機が米国岩国基地を拠点に訓練を行っていることが判明しております。これは間違いない。 であれば、過去にも実際には20機体制で運用されていた可能性もなくはない。ここはきょうは議論しません。今回の4月から8月までの議論をします。いずれにしても20機が来て、5カ月間運用していたわけでございます。 いずれにしても国は次の全員協議会――F-35B、16機の機種更新について、今、市長が4機ふえる騒音予測コンターの作成を求めているので、次の全員協議会までに防衛省は持ってくるはずです。それに基づき我々は全員協議会で説明を聞くことになるわけでございますが、もう機数が違う。要するに、第2回目の騒音予測コンターの中身が、信頼性がそこで崩れ去っているわけでございます。したがって、次に防衛省が持参する今回の騒音予測コンターをうのみにするわけにはいかない、そういうことを申し上げたいわけなんです。 だから、さっきの3つ大きな変化の中で、特にF-35B、16機の機種更新について、その部分だけが何ヘクタールふえているのかを確認したかったんです。 そういうことで、第2回目の騒音予測コンターを、現状の機数と運用に沿って改めて作成し直すことが大事であり、その上で第3回目となる次の騒音予測コンターをつくって、全員協議会に持ってきてもらいたい、そういうことをお願いしているんですが、そういうことについてはどういう考え方を持っておられますか。 ◎基地政策担当部長(山中法光君)  今回の機種更新に当たっての騒音予測コンターのつくり方のお話になろうかと思うんですが、今はまだ機種更新する前の現状があり、それに対して16機に変わるという現状がある。それを端的に比較をすると、そういったコンター図になるというふうに我々としては思ってございます。 このコンターのつくり方としまして、やはり岩国基地の中において、全ての航空機が一緒になって運用されているわけですから、例えば16機のみ――そのF-35Bの16機のみの影響に着目をしてコンターがつくられるものではない。今ある現状を変更する前後の比較は、岩国飛行場で運用される航空機全体の運用状況を見ながら作成するという方法になるということは申し上げておきたいと思います。 ◆9番(重岡邦昭君)  今、部長が言われたことをそのまま、「はい、そうですか」というようなことにはなりません。あくまでも今の3つの大きな変化の中で、どういうふうな算定がされて、きちんとした計算方法があるはずです、間違いなく。それを示してもらいたい。 確かに、今、岩国基地全体ではいろんな機種が飛んでいるから、夜間なんか飛ぶと、どの飛行機が飛んでいるのかは、それはわからない。しかしながら150ヘクタールふえたということは、この3つの変化に基づいてきちんと計算されているはずですから、それは示してください、次の全員協議会までに、いいですね。そこはぜひお願いをしておきたいと思います。 私は、先ほども言いましたように、この第2回目の騒音予測コンターの修正なくして次の全員協議会は成立しないというふうに考えております。 また、あわせてFA-18とKC-130の事故についても最終報告書が提出されたばかりで、再発防止は緒についたばかりで、これからの検証への非常に大事な我々の責任・責務が残っております。 よって、改めて市長に、今回の16機のF-35B――10月からではございますが、追加配備について留保という英断を下す――厳しいとは思いますが、市長が、「ちょっと待ってください」と、留保ということを言えば、それは国も米軍もそこはしっかり考えていくんじゃないですかと、私はそう思うんですが、留保ということについて、市長、どのようにお考えになるのか、お尋ねいたします。 ◎審議監(村田光洋君)  F-35Bの更新につきましては、先般、国からも説明がございましたように、日米同盟の抑止力を強化して、日本及びアジア太平洋地域の安定に寄与するとか、あるいは日本政府もその必要性を確認しており、我が国の安全保障のためにぜひとも必要であることから、10月以降に開始されるという予定である。こういう説明を受けております。 課題にはいろんなことがありまして、時間の制約がない課題もあると思います。議員がおっしゃるように、時間をかけて全員の意見の一致を見て、それから判断をする、こういった課題もあるし、今のように時間の制約のある課題、こういった課題もあります。 これにつきましては、我々は今、時間の制約のある課題であるというふうに考えており、したがって、先延ばしすることなく、意見の対立があってもお互いが歩み寄って、接点を見出して一定の結論を出す。こういったことが必要ではないかというふうに考えております。 ◆9番(重岡邦昭君)  今まで質問をちょっと繰り返してきましたが、市長は、今回の10月からのF-35B、16機の機種更新、4機追加については、もうお認めになっておられるということでいいんですか。そうじゃないんですか。さっきからの答弁では、私はそう考えますよ。全員協議会をする必要はないじゃないですか。ちょっと待ってください、最後にまた聞きますから。 それで、今のところ、留保する考えもないということです。したがって、もう一点、非常に今回の答弁の中でわかりにくいところがあったから、そこをちょっと確認したいんですが。 市長は、今回2つの容認判断基準を示しました。1つが基地機能が変更される際、周辺環境が現状より悪化する場合、2つ目が十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合、この2つをさっき答弁で言われたというふうに思います。 それで、市長は、この答弁の中にこういうことを言っているんです。このたびのF-35Bの機種更新は、空母艦載機移駐のように新たな部隊の追加を含む大きなものではなく、4機増加するも体制に大きな変化はないというふうに、既に考えを明確にしているんです。だから、全員協議会の必要はないと言っているんですけれども。こういうふうに答弁されました、市長は。 では、判断基準の1つ目としての、周辺環境が現状より悪化する場合についてはという項目については、既に条件を満たしたと、そういうふうに私は判断しているんですが、そういう考えでいいのか。 また、判断基準の2つ目の、安心・安全対策について、市長は、店舗、事務所の防音工事拡大について、ここ2年ぐらいこの1点について国と交渉しております。 よって、この9月に行われる全協までに、国からその実施すると確約がとれれば、この2つの条件がそろったんだというふうに考えられるのか、それとも、よく皆さんが使われる総合的判断――協議中であるから、9月までには回答はないけれども、いずれ防衛省が当然、事務所、店舗はやってくれるものだと、それを総合的な判断ということで、この1つ、2つの判断基準をクリアしたということで、市長は今回の16機の機種更新について、認めていこうということなのか、そのあたりをもう少しきちっと詳しく説明してください。  それでないと、先ほど全員協議会は必要ないと言いましたけれども、やるんですから。我々も臨んで、防衛省に言うべきことは言いますけれども、今、私が質問したことを詳しく、何を考えておられるのか、今の質問に対して答えてください。 ◎市長(福田良彦君)  今、全員協議会を予定されているということを承知しておりますので、そういった中にあって、重岡議員からも留保を明確に示せよという話でありましたが、私がここで、それもできないわけであります。今、実際に8項目21の課題について国に照会をしております。先般、国の説明のときでも既に騒音予測コンターの作成に入っているということでありましたので、それも見てみなければなりません。 そういった中で、今回、空母艦載機の移駐のときの、容認するかしないかというのとはちょっと違う次元ではあるが、やはり何らかの意思表示はしなければいけないというふうには思っているわけであります。その中で4機ふえるという話もあります。これは機種更新の中の話でありまして、追加配備ではないということは、御理解いただけると思っております。 それと、今回、このF-35Bの機種更新の話と、防音工事の店舗、事務所への拡大、これが交換条件のような感じで今、議員が言われましたが、そういうことは決してないと思います。これは、以前から安心・安全対策の大きな項目として、住宅防音工事の対象拡大については国に粘り強く要望しておりますし、それについて今回こういった話が――F-35Bが来ましたが、これと一緒にカードを切り合うとか、そういったものではないと思っています。これは、時期は、この9月には回答が出ないにしても――出れば一番いいですが、この住宅防音工事についても粘り強く、先ほど質問もありましたが、そこは成果として引き出していきたい、それも早い段階で引き出せるように尽力をしていくので、切り離して考えていただければというふうに思っております。 ◆9番(重岡邦昭君)  さすがに、私の次の質問を先読みされておられるので、そこは評価をするんですけれども。実は、先ほど安心・安全対策について、どういったところを求めておられるのかという18番議員の質問に対して、事務所・店舗という言葉は出たんですね。これを求めていかなければならないという言葉が出ました。だから今の市長の答弁にはちょっと矛盾があります。矛盾があります。そこは、あなたもおわかりでしょう。 それと、私がもう一つ矛盾していると思うのは、事務所・店舗を、ひょっとしたら今回の16機の機種更新の一つの安心・安全対策として講じられるというふうに思っておられるのであれば、ちょっとくぎを刺しておく必要があると思っているんです。 実は、事務所・店舗の防音工事拡大は、NHK受信料助成廃止、これの代替なんです。これははっきり福田市長が言っておられる。代替なんです。お忘れではないですよね。代替なんですよ。それを今回のF-35B――言っている、言っているんですよ。間違いない、言っている。したがって、今回のF-35Bで事務所、店舗に拡大したということを、それを条件に安心・安全対策を講じられたということは、絶対に言われない。新たな事務所・店舗の防音工事の拡大以外の新たな安心・安全対策を持ってくること、これは市長の責任が今回問われているんです。課題が突きつけられているんです。ここを忘れてはならんのですよ。市長はどうも忘れて、都合の悪いところはお忘れになっておられるようですけれども、間違いなくNHK受信料助成廃止の代替――首をかしげているけれどそうじゃないですか。そこをしっかりとお認めになって、改めて防衛省との交渉には当たってもらいたい。 そして、先ほどから市長は、この10月からのF-35Bの機種更新で、今さらどうしようもないというふうな答弁をされたと思うんですが、決めたらどうしようもないというんであれば、我々は全員協議会で何を協議すればいいのか。これから、そうした計画が示されたら、物が言えないというんであれば、我々はずっと貝になる必要がある。我々はそうはいきません。問題があれば、反対であれ留保であれ、そこはしっかりと言い、その我々の声を市長はやっぱり防衛省あるいは米軍に伝えていく責務があるんです。あなたはもう、はなからそういう責任を放棄したらいけません。 あと12分ちょっとありますので、最後に決算額1,040億円の支出に対する景気・雇用対策との相関関係について。 私が当初、質問を投げかけたときに、総合政策部長が来るのか、産業振興部長が来るのか、ちょっと楽しみに待っていたら、総合政策部長が来て、一応話はしたんですが、答弁を聞けば、やっぱりとんちんかんな答弁をしておりました。 しかしながら、私が言いたいのは、その決算額1,040億円をどのように使ったかという一つの視点と、景気・雇用対策の相関関係、ここの1点と、どちらを重視して私の通告に対する聞き取りをするのかなと思っていたんです。残念なことに、ちょっと的外れなところになっているんですけれども。 実は、この的外れということになると、以前――これは余り蒸し返したくはないんですが、昔、市長に、防音工事のことについて、この防音工事をしっかり使って、民生安定はもちろんのことやらなくてはならない、あわせて景気対策にも使わなければならない、これを私は申し上げました。覚えているかな。たしか8年くらい前の話ですが、そのときに、市長、あなたは、景気対策ではないんだと、民生安定のみで防音工事はやられるんだと、堂々と胸を張って言われました。確かにそれは半分当たっています。しかしながら、その後、経済界からお叱りを受けたということも一部聞いております。 したがって、今、あなたが、この防音工事についてどのように発言されておられるかといえば、私が当初言ったように、民生安定と雇用・景気対策、この2つの面を強調されてお話をされておられます。まさに、そういうところで、時代に合ったというか、この岩国市の発展のために、少し考え方を緩やかにされたのではないかなというふうには考えております。 そこで、その中で質問をちょっとしてみたいのが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、中国一辺倒のサプライチェーンは大きな支障が出ました。そして、安倍総理が、中国から日本国内に工場を移転する際、しっかり国が助成するんだと、こういうふうに言っております。ついては、たしか3月定例会だったかな、中国電力跡地の活用について提言したことがありますが、その後の中国電力の動静について、わかっている範囲で結構ですから、教えていただきたいと思います。 また、今の質問をきっかけに、通津沖工業団地のクレシアの動静についても、おわかりの範疇で結構です。わからなければわからないでいいんですが、もしわかっていれば教えていただければというふうに思います。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  まず、中国電力の旧岩国発電所の敷地についてでございますが、この7月に山口支社のほうが市長訪問されました。その中で伺った内容でございますが、現時点では、廃止後の土地の利用については具体的な計画はないが、資産の有効活用の観点から幅広く検討を行っていく考えであり、検討に当たっては地域の活性化に配慮していきたいというふうに承っております。 市としましては、この中国電力の動向を注視し、定期的な情報交換を行ってまいりたいと考えております。 もう1つ、通津沖工業団地の日本製紙クレシア株式会社の敷地につきましては、これは山口県の東京事務所のほうの職員から聞いた内容でございますが、現在においても、物流倉庫として活用されているため、当該土地の利用については、相談等を行う状況ではないというふうに確認をしております。 いずれにいたしましても、今回の定例会の一般質問の中にもございましたが、なかなか一定規模の大きな用地はございません。そうした中で、例えばサテライトオフィスというものについての誘致にもしっかり力を入れておりまして、昨年度は2件の誘致がございました。 ◆9番(重岡邦昭君)  中電の件については、この7月にも一つの動きはあったということで、ぜひ、しっかりと進めていっていただいたらと思います。そのためには、まさに岩国市は1,040億円――全て工場誘致のために金を使うわけではないんですが、そうした1,040億円を毎年――大体1,000億円前後を毎年市中に投資しているわけなんです。細かいことをいえば、全てそうではないんですけれども。要するに、そうした次のまちづくりにつながる、活気あるまちづくりにそうしたお金をしっかりと活用していかなければならない、そういう質問ではあったんですが、まさに今、中電一つをとってみても、今の動きがあるので、そこはひとつ安心しておりますので、お願いをいたします。 続いて、国が、安倍総理が、今の中国から日本の企業を国内に移転した場合、それなりの助成をする、補助をするというふうにはっきりと言われておられます。 そこで、そういう一つの国の政策は、岩国市の弱いところである第3次産業、製造業を誘致していく大きなチャンスが今あるんです。そして、土地もあるわけです。ということで、今の国の制度について、今、実際に調査・研究をしているのか。その内容について、おわかりのところまで教えていただきたい。国の制度の調査をやっているのか。そしてそれをもって、どのように動いておられるのか。現在の市の取り組みについてお聞きをいたします。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  まず、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、サプライチェーン対策のための国の補助金等について、企業にあっては手を挙げて、それを活用したいという情報は承知しております。 ◆9番(重岡邦昭君)  私が言うのは、企業主導ではなくて、やはり市自体もその制度を熟知しておかないと、今後企業とタイアップして一緒に進めていくのにおくれをとるのではないかということなんです。私は逆に、市が制度をしっかり熟知して、トップセールスで企業を回って、こういう制度なんですよと――国の制度はこうなんですよ、市はそれに対してこれだけの助成をするんですよ、だから、これだけ交通結節点のいいところであり、水が豊富な錦川を抱え、観光はすばらしい、ぜひ、こういうところに来てくださいと、トップセールスをする必要があるわけです。そのためには、今の国の制度をまず知らなければならない。その動きがないというのは問題がある。企業任せではいけないんですが、今後の動向について、市の考えについてお聞かせください。 ◎産業振興部長(穴水千枝美君)  サプライチェーン対策のための補助金につきましては、国の実施事業でございます。当然、その内容については職員等も内容を熟知しているところでございます。あわせて、市としましては、市の誘致条例に基づいたいろんな施策がございます。先般、6月定例会においても条例等を可決していただいたところでございますが、山口県と一緒になって、岩国市に進出するメリット、誘致の条件等をしっかりと企業のほうに説明いたしまして、誘致に努めてまいりたいと考えております。 ◎市長(福田良彦君)  今回、国の制度を活用して、実際、美和町でありますが、新たなラインを誘致ということで、先般関係者の方々と面会をさせていただき、大変いい報告をいただきました。 また、会社名は伏せますが、実際に今回の国の制度も活用する新たなプラン等の話もございましたが、なかなか国の基準に合わないということで、それは利用はできないけれど、市のいろんな助成制度を活用して、新たに話を進めていきたいという話もございます。 ということで、我々も国の制度については、あらゆる情報をキャッチして、それも利用できれば利用してほしいという話は事前に企業のほうと、県を通じて話をさせていただいているつもりであります。 ◆9番(重岡邦昭君)  ぜひ、岩国市の一般会計と特別会計を合わせたら約1,000億円――全て景気対策に使われるわけではないんですが、とにかく波及効果を狙う、そうした取り組み――一つ一つの事業は、市長はよくあれをやっている、これをやっていると言っているんですが、点で終わっている。よく、どなたかが言われるけれど、点を面にする、こうした作戦が欠けているということを申し上げます。ぜひ次の企業誘致のために頑張ってください。 以上で終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、9番 重岡邦昭君の一般質問を終了いたします。 20番 瀬村尚央君。 ◆20番(瀬村尚央君)  皆さん、こんにちは。市政改革クラブの瀬村です。本日、最後の質問者となりますが、よろしくお願いいたします。 今回は、1、本市における防災について、2、地域おこしについて、3、装港小学校講堂の改築についての3点について質問させていただきます。 まず、1点目ですが、本市における防災について。 先日も台風10号が世間を騒がせました。幸い本市では、停電や大きな被害はなかったと伺っております。本市議会におきましても、防災・減災対策推進調査特別委員会を設置し、積極的に防災や減災に取り組んでおります。 自助・共助・公助という言葉がありますように、やはりそれぞれの常日ごろからの意識が大切だと私は考えます。いざさまざまな災害が起きたとき、行政がかかわれることには限りがあります。いわゆる行政のかかわる公助の場面でいうと、避難情報の伝達や避難場所の開設などがあると思います。 まず、(1)現状についてですが、逃げおくれゼロに向けて、本市としての考え方及び現在の具体的な取り組み状況についてお尋ねいたします。 次に、(2)マイ・タイムラインについて。 本来、文字どおり自助・共助は、市民が自分で、またともにそれぞれ考えて行動することです。いざ災害が起こった際に冷静に行動できるように、マイ・タイムラインを作成します。そこで、自助・共助を促すために、市としてどの程度協力できているのか、質問させていただきます。 具体的に言うと、災害ごとに避難場所なども変わってきます。そこで、市民が何を持って避難すべきなのか、どういう災害でどこに避難するのかなど、市として市民が速やかに避難できるように情報発信しているのか、そういった点についてお尋ねいたします。 続いて、2点目、地域おこしについて。 現在のコロナ禍において、各常任委員会で市外視察に行くことも難しく、また、受け入れ先にも迷惑がかかるということで、今年度は各常任委員会で市内の視察が行われました。 私が所属している総務常任委員会では、美和町及び錦町を訪問して、民間で頑張られている方にもお越しいただき、各地域の抱えている課題やそれぞれで行われている事業についてヒアリングいたしました。そこで、さまざまな施策を講じておられ、積極的に取り組まれていることがわかりました。現場の声を聞くことができて、非常に有意義な時間でした。 一方で、本庁としてどのようなことを課題として考えられているのか、また、実績や今後の方針についてお伺いいたします。 (2)クラウドファンディングについて。 クラウドファンディングは、数年前から活用されている資金調達手段であり、民間だけでなく行政でも幅広く活用されています。直近でニーズがあるかどうか把握しておりませんが、市としてその手法を確立しておくことは、非常に有意義であると考えます。 また、市内にも岩国市発展のためにすばらしいアイデアを持っている人がいるかもしれません。そういったアイデアを拾い上げていくためにも、市としてクラウドファンディングをできる体制にしておいたほうがいいと考えますが、市の考え方についてお示しください。 3点目、装港小学校講堂の改築について。 これは、私が議員になった際に、最初の一般質問でもお伺いいたしました。7月に教育民生常任委員会が装港小学校の視察を行いました。市内の数ある学校施設から、当該施設が選定されたということは、教育委員会としても問題意識を持ってくださるということで、非常にうれしく思います。 さて、今月の1日に東小・中学校が無事に開校いたしました。とてもきれいですばらしく、私も東中学校OBとしてとてもうれしく思います。一方で、私の周りでは、歴代地元議員がずっと言い続けている装港小学校の講堂改築が遠のいたのではないかと、不安の声もよく耳にします。 前回の質問時には、岩国市学校施設長寿命化計画の策定をしないことには、各学校の建てかえやリノベーション計画は立てられないとのことでした。3月には、長寿命化計画が策定されており、その結果にも装港小学校の講堂は古く、対応優先度も高く設定されておりました。そこで、(1)進捗状況についてお伺いいたします。 続いて、(2)今後の進め方についてお伺いいたします。 長寿命化計画を含めて、もう何年も装港小学校の講堂だけでなく、学校施設についても検討を進められていると存じております。ですが、余りにも目に見えての進捗がないようにうかがえます。新築された東中学校の校区となる装港小学校の取り扱いについて、市として今後どのように考えていくおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  それでは、瀬村議員御質問の第2点目の地域おこしについてお答えいたします。 まず、(1)実績と課題についてでありますが、本市の中山間地域におきましては、人口減少・高齢化の進行による担い手不足が深刻化する中で、持続可能な地域社会の形成のため、集落機能の低下等を周辺の集落で支え合う仕組みづくりや、田舎暮らしを希望する幅広い世代の方への移住・定住に向けた取り組みを推進しております。 議員御質問の地域おこしの実績につきましては、過疎地域等の集落への目配りとして、集落の巡回、状況把握を行うとともに、地域での話し合い活動等を通じて、自助・互助・公助のあり方を整理しながら、地域づくりを進めるための集落活動を支援する集落支援員を配置しております。 集落支援員は、本庁管内、美川地域、美和地域にそれぞれ1人配置しており、最近の主な活動として、平成29年度から平成30年度にかけて、玖北地域全体の小規模・高齢化集落において集落点検を実施し、昨年度には、柱島群島の全集落を訪問する集落点検を実施しました。この集落点検の結果については、地域で報告会を実施し、地域住民相互の話し合い活動の促進に役立てていく予定としております。 美川地域や美和地域で活動している集落支援員は、地域の将来計画である夢プランの実践活動の支援に取り組んでいるところであります。 また、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行っていただき、その定住・定着を図ることにより、地域力の維持・強化を図る地域おこし協力隊の取り組みも進めております。 現在は、美和地域に2人、本郷地域に1人、柱島群島に1人、地域ブランド推進担当として1人の計5人の隊員が、各地域で活動を行っております。 各隊員の主な活動としては、美和地域の隊員は、弥栄湖を中心とした地域資源の掘り起こしや、美和地域の魅力発信等による観光振興、移住・定住の促進に取り組むとともに、地域内の営農組織等と連携し、美和町の特産品を使用した新商品の開発・販売等の支援を行っております。 本郷地域の隊員は、本郷特産品加工販売組合において、特産品の加工・開発等の支援に取り組み、そして柱島群島の隊員は、地域活動支援やヒマワリを活用した耕作放棄地の整備等を行っております。 地域ブランド推進担当の隊員は、関連事業者を訪問し、新商品の開発、そして商品のブラッシュアップに向けた支援や特産品の魅力発信等の活動に取り組んでいます。 なお、本市での任期を終えた地域おこし協力隊員4人のうち3人が、現在においても本市に定住されている状況にあります。 さらに、やましろ体験交流協議会が中心となり、移住・定住人口や関係人口を増加させることを目的に、体験交流事業が進められております。 今後、この事業の実施に当たり、インバウンドによる外国人観光客の受け入れにも対応できるよう、民泊家庭や協議会のスタッフ等を対象に、やましろ地域英会話里山教室が定期的に開催されております。この取り組みにより、受け入れのためのスキルアップが図られており、これらの取り組みに対して市からもさまざまな面から支援を行っております。 また、中山間地域における移住・定住に向けた取り組みにつきましては、地域で活動されている移住応援団の皆様と連携して、利活用できる空き家情報の掘り起こしを進め、移住希望者に空き家情報や地域の情報をお伝えする岩国市空き家情報登録制度、いわゆる空き家バンクの取り組みを進めています。 移住応援団が中心となり、錦町の府谷地区にある滞在型の体験農園施設において、施設利用者と地域の方々との交流を促進させる活動事例もあり、地域外からの移住につながった実績もございます。 こうした地域おこしの活動において、集落の維持や活性化を図るためには、地域の実情の把握が重要であり、地域と行政が連携し、積極的な働きかけや、きめ細かな支援に引き続き取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。 また、将来的にも、地域にかかわり続ける関係人口づくりを進め、地域おこしの事業にかかわる地域住民が地域を見詰め直し、地域に誇りを持ち、地域に対する自信を高めていくことにつながるよう、地域を担う人材を育成していくことも必要であると考えております。 市としましても、中山間地域が活力と魅力ある地域として健全に維持され、地域の方々が安心・安全に暮らすことができるよう、引き続き総合的かつ積極的な支援を充実・強化し、住民の暮らしを支えていく地域おこしの取り組みを推進してまいります。 次に、(2)クラウドファンディングの活用についてでありますが、議員御提案の地域おこしの事業に関し、資金を必要とする事業を行う場合に、クラウドファンディングによる資金を募ることについては有効な手段であると考えております。 クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の方から広く支援を募る資金調達の仕組みであり、事業により解決しようとしている課題やその目的に共感し、その事業実施のために出資されることが特徴であります。 事業の実施者には、個人や団体、企業だけでなく、自治体もあり、自治体の場合は、ふるさと納税を活用して、共感や賛同を得られた寄附者から資金を調達する方法が一般的となっております。 自治体がクラウドファンディングを行うメリットとしては、課題を解決するとともに、自治体の取り組みをPRできることが挙げられます。 市としましては、クラウドファンディングは、市が実施すべき事業と、市内の団体等がその目的のために実施する事業の、双方の事業の実施に有効な資金調達の手段の一つであると認識しております。 今後におきましては、多くの方々から共感や賛同を得られると考えられる具体的な事業がありましたら、クラウドファンディングの活用を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  第1点目の本市における防災についての(1)現状についてお答えいたします。 災害には、突然発生する地震や地震に伴う津波など、発生の予測が難しいものや、大雨による河川氾濫や土砂災害など、ある程度その発生を予測できるものもあり、その対応は災害ごとに発生前や発生後など、局面によって適切な行動をとることが重要であると考えています。 本市といたしましては、特にその発生がある程度予測できる河川氾濫や土砂災害につきまして、住民の皆様に早目に避難していただけるよう、気象情報や降雨量、河川の水位や土砂災害の危険度などの情報を収集・監視し、できる限り災害発生前の適切なタイミングで避難勧告等の避難情報を発令できるよう努めているところです。 具体的には、山口県の土木防災情報システムによる雨量や水位の監視、また昨年度からは、民間気象予報会社による72時間先までの気象予測サービスの提供を受けています。 特に、今年度におきましては、広島大学の研究グループにより開発された雨量指標R'を取り入れ、岩国市独自の土砂災害の危険度を予測するシステムを構築し、運用を開始しました。 こうした取り組みにより、できる限り早目に避難情報を発令してまいりますが、避難に当たっては、自主防災組織の活動や消防組織との連携などにより、災害弱者の方などが逃げおくれることがないよう、避難支援の仕組みづくりに努めてまいりたいと考えています。 以上のように、市の早目の避難情報発令という公助の仕組みをベースといたしまして、地域住民の自助と助け合いによる共助の仕組みを確立することによって、逃げおくれゼロを目指してまいります。 次に、(2)マイ・タイムラインについてですが、災害発生時の避難行動におきましては、いわゆるマイ・タイムラインを作成しておくなど、日ごろからの備えが大事であると考えます。 マイ・タイムラインにつきましては、お一人お一人住んでいる場所が違いますので、まずは事前にハザードマップなどで起こり得る災害や被害の程度を調べ、安全な避難場所や避難場所までの経路を検討しておきます。その上で、災害当日について、行政や気象台が出す情報や、山や川など周囲の状況の変化に合わせて、自分のとるべき行動を事前に決めておきます。これにより、実際の大雨の日などに、作成したマイ・タイムラインに従って早目の避難をすることが、安全確保につながるものと考えます。 市といたしましては、今後においても、防災講話等を通じて災害時に各自が適切に避難行動がとれるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(守山敏晴君)  第3点目の装港小学校講堂の改築についてお答えいたします。 まず、(1)進捗状況についてですが、本市の学校施設は、令和元年度策定の岩国市学校施設長寿命化計画で定めた学校の建物ごとの改修等の優先区分をもとに、岩国市立学校適正規模適正配置に関する基本方針との整合性を図りながら、長寿命化改修や改築を進める計画としております。 装港小学校の講堂につきましては、現在、校舎を含めた全体計画として、近隣の市保有の公共施設との調整を図りながら、庁内での協議を行っております。 次に、(2)今後の方針についてですが、庁内での協議・調整を踏まえ、岩国市学校施設長寿命化計画の計画推進の手順に沿って、庁内関係課と学校とで協議を行い、その後、保護者や地元関係者、関係機関との意見交換等を行い、適正規模・適正配置の考えを踏まえた上で、周辺の公共施設も含めた検討を行う予定としております。 装港小学校の講堂は、耐震性は有しているものの、築年数が66年となり、老朽化が進んでおり、また、施設の利用状況から見ても、修繕等による当面の対応は必要と考えておりますが、改築につきましては、適正規模・適正配置の考えを踏まえた上で、学校全体で検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  それでは、自席にて、通告順に再質問させていただきます。 まず、本市における防災についてですが、可能な限り災害発生前の適切なタイミングでの避難勧告発令とおっしゃいましたが、発令可能かは災害種別に起因すると思います。台風や大豪雨については、降水量などで判断すると思いますが、今回の台風10号でも早期に避難所を開設されました。市として、空振りでもいいから早目に避難所を開設していく方針ということでよろしいでしょうか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  おっしゃるとおりでございます。台風のようにあらかじめ接近が予想される場合は、明るい安全な時間帯に、早期に避難所を開くということで行っております。特にこの台風10号は過去最強というふれ込みでございましたので、日ごろ開いている早期避難所に加えまして、今回は岩国国際観光ホテル、あるいは岩国市民文化会館、中央図書館、東小・中学校などを追加して開いております。 ◆20番(瀬村尚央君)  その早期避難所を開設するに当たって、明確な基準などがありましたらお示しください。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  済みません、文書による明確な基準というのは持っておりません。 ただ、先ほどお答えした早期避難所に加えまして、基本的には災害の発生を予見して、その災害の発生の種別に合わせて、安全な避難所を開いていくということで行っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今回の台風10号でいえば、市民の皆さんは――初日に15番議員もおっしゃっていましたけれども、防災意識が非常に高く、養生テープがなくなったお店もあると伺いました。市民に「避難してください」と防災無線などで伝達しても、その避難の情報が正しくないと意味がありません。 危機管理監が午前中、オオカミ少年という言葉を使われましたけれども、本当にそのとおりで、例えば「曖昧だけれどもとりあえず危険になりそうだから避難してください」と伝えても、市民はそれになれてしまい、本当に危険な際に避難しなくなるかもしれません。 そういった点を踏まえて、現在の情報の正確度についてお伺いいたします。 岩国市独自の土砂災害発生の危険度を予測するシステムを構築されたと壇上で答弁されましたけれども、これについて、もう少しわかりやすく説明していただけますか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  先ほど壇上で申し上げましたが、土砂災害については、岩国市では2004年に広島大学や呉工業高等専門学校などのグループが共同開発した雨量指標R'という数値を使っております。これは、1カ月前の長期実効雨量と、それから1日の短期実効雨量を用いて計算して、要は土壌中にしみ込んだ水分量を計算した値を出し、その値を過去に発生した災害と比較して、その値が幾らぐらいになったらそこで土砂災害が起きる可能性が高くなっているというようなやり方でやっております。 今年度は、さらにその避難対象地域を、南河内や北河内であるとか、わかりやすくする表現を使うように地域を分けました。その地域の中をこのR'の数値を500メートル四方で数値を計算して、その地域の中で最も高い値が、その閾値に到達したときに避難勧告を出すという仕組みでやっております。 さらに、その地域の範囲の中で――山奥で誰も住んでいないところを対象にしても仕方がありませんので、人家とその周辺だけにしております。 その計算をするに当たって、今回さらに株式会社気象工学研究所というところが6時間先の降雨のハイブリッド降雨予測システムというのを出しておりますので、これを導入いたしまして、さらにR'の計算を6時間先まで計算できるように今回改良しました。それで運用に入ったということでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  土砂災害といえば、以前、新港町でも死者が出たといういたたまれない事故もありました。土砂災害は、台風が去った後にも起こる可能性があり、予測が難しいと専門家の人が言っているのを耳にしたことがあります。このシステムによって、土砂災害警戒区域の人たちに避難指示を出せる明確な基準ができたということだと思います。 一方で、河川の氾濫については、いつどこで氾濫するなどは、どのように観測されていますか。特に、門前川や今津川など、その流域に居住人口が多い地域など、そういったところでの氾濫予測はどのようにされているのでしょうか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  河川氾濫については、国・県が設置した水位局というのが市内に19カ所、主な河川についております。これは、一般の方でも山口県のホームページの土木防災情報システムで見ることはできるんですけれど、この水位局は大体1カ所当たりが10キロメートルから15キロメートル程度の受け持ち区間というのを持っておりまして、この区間内で氾濫危険水位となってきたときに、この区間内に避難勧告とかを出すという基本的な仕組みがあります。 御質問の今津川、門前川につきましては、臥龍橋の水位局よりも下流部には水位局がありませんので、大雨のときとかは、その水位を消防団とかあるいは市の職員が直接現場確認をして、対応していきます。基本的には、現在のやり方といたしましては、例えば、臥龍橋の水位局が氾濫危険水位を超えた場合、上流部の雨量等を総合的に判断して、現地の水位から判断して避難勧告等を発令していくということになります。 ◆20番(瀬村尚央君)  やはり、市民に正しい情報を速やかに伝達するためにも、正しい状況をまず把握する必要があると思います。 門前川や今津川などは、水位局がないとのことだったんですけれども、それで目視による確認――午前中に30番議員も質問されていましたが、氾濫危険水位について実際に堤防を越えるかどうか予測するのは非常に難しいとのことですけれども、この問題に対して、今後どのように対応していくのか、何か考えはございますか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  確かに、洪水に対するこの避難勧告発令というのは、午前中に申し上げましたけれど、まだまだ課題があるというふうに考えています。要は、水位の上昇予測というのは、今、人工衛星を開発しているJAXAとか東京大学とか、いろいろな民間の研修所とかが、いろいろとその水位の上昇予測の研究に取り組んでいます。AIとか、数学的な手法を使って行っているんですけれど、特に球磨川の氾濫とか、台風19号でたくさんの河川が氾濫したということを受けて、自治体からも問い合わせがたくさん来ているという話は聞いております。 ただ、なかなか正確にこの水位を予測するというのは、非常に難しいというところもあるので、今後もその動向を注視していこうと思うんですけれど、やはり、自治体とか住民にとって一番大事なことは、いつ避難するかということです。そういうきっかけというのは一番大事で、これは防災上、よくスイッチと呼ばれているんですけれど、このスイッチをどうやってつくっていくかと――現在、先ほど申し上げた水位局の氾濫危険水位を超えたというところだけでは、このスイッチの役割を果たさないというふうに思っています。 したがいまして、今ちょっと考えていますのは、特に今津川、門前川みたいな水位局がない川で、結構大きな川について、どうやって対応していくかというところで、例えば、その流域沿いの自主防災組織の方と、このスイッチについてどういうふうにつくっていくかというところをしっかり協議して、例えば、大雨のときにこちらから、臥龍橋の氾濫危険水位を超えましたよという連絡をして、地元の方にその今津川の水位を見て、こちらに報告していただく、そういったことを繰り返して、どこかの段階で、協議した内容に基づいて、市が避難勧告を発令していくとか、そういった話し合いができれば、また適切に避難勧告を発令できるようになってくるのではないかということを今、考えております。今後、こういった地元との防災会議的なものを進めていって、これを少しでも解消していきたいというふうに思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  なぜこの正確度について質問したかというと、(2)のマイ・タイムラインにつながるんですけれども、マイ・タイムラインとは、台風や大雨の水害など、これから起こるかもしれない災害に対し、一人一人の家族構成や地域環境に合わせて、あらかじめ時系列で整理した自分自身の避難行動計画のことです。今回の台風10号においても、ある報道番組では、「マイ・タイムラインに沿った行動を」と言っている場面もありました。なぜこの質問をしているのかというと、先月、地域の人に、「災害が起きたとき瀬村君はどう避難するの」と言われて、少し固まりました。これでは実際に津波などが来たら、僕は行動できないなと思い、自分なりに防災について分析いたしました。 私が考えるに、防災の考え方も5W1Hが適用されるのではないかなと思います。「Why」は逃げるためであるから除外して、実質4W1H――「いつ」「どこに」「誰と」「どうやって」「何を持っていく」だと私は考えます。 「いつ」というのは、災害種別ごとに避難のタイミングも異なると思います。先ほど危機管理監がおっしゃられたスイッチ――それがそのタイミングなのかなと思うんですけれども、スイッチの基準を明確にされることによって、市民は避難勧告が出たらすぐに避難する、地震などそういった予測が不可能なときは、個々で判断して行動するというような行動が起こせると思います。 次に、「どこに」逃げるかなんですけれども、地域ごとに避難する場所は異なりますけれども、さらに災害種別――私が住んでいる新港町だと、津波だったり土砂崩れ、それによって避難場所が変わるんですけれども、そういった避難場所を記載したものを市民にはお知らせしているのでしょうか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  134カ所の避難場所にそれぞれの災害種別ごとの適否を示しております一覧表を、ホームページとか岩国市防災ガイドブック等でお知らせしております。また、防災講話等でもそういったことを周知しております。 ◆20番(瀬村尚央君)  ありがとうございます。 続いて、「誰と」なんですけれども、こちらは共助の観点からも人によって異なると思います。手段である「どうやって」も、避難所の場所や避難する人の状態――歩けない人だったり、そういった状態によっても変わると思います。 最後に、「何を持っていく」のかというところなんですけれども、個々によって持っていくものは異なると思うんですけれども、一般的な、オーソドックスと言われるもので、何を持って避難したほうがいいかなどのことはお知らせされていますか。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  これも、作成いたしました岩国市自主防災ガイドブックの中に、非常持ち出し品のチェックリスト等を――一般的なものでありますけれど、こういったものを持って出たほうがいいよというものは載せております。 ◆20番(瀬村尚央君)  ちなみになんですけれど、その防災ガイドブックというのは、どちらで手に入るのかお示しください。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  市役所庁舎、総合支所等に置いておりますので、そちらで受け取ってもらえるようになっております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今回、防災について質問させていただいたんですけれども、自主防災組織で災害種別ごとに、いつ、誰と、どこに、どうやって、何を持って逃げるか話し合った上で、マイ・タイムラインを作成することが大切なんだなと私も調査している上で認識しました。自助・共助の精神で各地域ごとに市民それぞれがどう行動するのか、あらかじめ決めておくのが本当に重要なのだと知りました。 最後に、行政としてはその点を踏まえて、自主防災組織または市民にどう発信していくおつもりなのか、お伺いいたします。 ◎危機管理監(廣田秀明君)  繰り返しになりますけれど、今後も各地域の防災講話等の中で、そういったことが重要であるとか、あるいは市の避難情報の発令の仕方であるとか、そういった考え方を理解していただいて、自分自身のスイッチをしっかり確認していただいて、安全に避難できるように心がけていただきたいと思います。 今後も、そういったことを周知していきますけれど、ことしの11月に自主防災組織の防災リーダー等を対象に、いわくに消防防災センターのほうでそういった研修会も行う予定としております。今後もしっかりそういったことを周知してまいります。 ◆20番(瀬村尚央君)  そうしましたら、おのおのの行動を共有して、高い意識を市民一人一人が持っていただけるようによろしくお願いいたします。 続いて、(2)地域おこしについて。 集落支援員や地域おこし協力隊がすごく積極的に取り組んでいることは伺いました。 一方で、この方々が横のつながりとして、お互いの抱えている不安や悩み、またこういうことをやっているよとか、そういった情報交換をする場はあるのでしょうか。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  集落支援員、地域おこし協力隊におきましては、それぞれ2カ月に1回程度を目安といたしまして、それぞれが情報交換、情報共有を行うとともに、先進地視察や専門の講師を招いた講座の研修会、勉強会などを実施しております。 また、集落支援員と地域おこし協力隊の相互の交流の場というものも持っておりまして、合同の研修会などを実施しているというところでございます。 ◆20番(瀬村尚央君)  視察した際に、それぞれがつくられている資料を拝見させていただきました。その内容が基本的にフォーマットとかも全て異なっていて、やはり見せ方が上手な人もいれば、正直苦手なのかなという人もいるなと感じました。そういったところで、何かこういったフォーマットがあればいいんじゃないかなというのを、正直思いましたので、提言させていただきます。 実際に移住したいと思った人の行動パターンを考えたときに、まず市のホームページを確認すると思います。そこで、例えば、明確に美和町の下畑地区に住みたいなどそういったのがあればいいんですけれども、とりあえず連絡をしてみたなどのそういった人たちからの問い合わせの場合は、どう対応されているのでしょうか。 ◎市民生活部長(野村浩昭君)  今、議員がおっしゃったような事例というのは確かにございまして、本市に移住のお問い合わせがある場合には、市のホームページからリンクされた「岩国田舎暮らしの道しるべ」に掲載されました空き家情報を見ての電話やメールでのお問い合わせというのが多いのかなというふうに考えております。 それで、一般的な流れといたしましては、移住希望者の方々におかれましては、掲載されたその空き家情報の各物件から、地区やその価格等の条件をごらんいただいた上で、特定の物件について見学が可能であるかのお問い合わせをしておられます。その際に、空き家情報登録制度に登録する必要があるということに関してのお知らせもいたしているということでございます。 市は、移住希望者が登録を完了されますと、空き家見学の日程調整などを行いまして、移住希望者そして空き家の所有者、移住応援団、それから我々市の4者が、見学可能な日程を調整した上で、空き家見学を実施し、空き家所有者と移住希望者の間での協議や交渉を行っていただいた上で、両者の間で合意がなされれば契約となり、移住をなされるという流れとなっております。 ◆20番(瀬村尚央君)  空き家情報登録制度への登録をする必要性、また両者が立ち会って協議するというのは理解いたしました。また、移住・定住政策とは別に、やましろ体験交流協議会についても、民泊体験プログラムというすばらしい事業を実施されておられます。 一方で、大規模な学校などの受け入れの需要はあるものの、受け入れを拒否せざるを得ない状況であるとも伺いました。非常に惜しいなと感じました。こちらについては、市として何らかの対策はされているのでしょうか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  議員御指摘のとおり、現在、やましろ体験交流協議会では、受け入れ家庭約30世帯、受け入れ可能人数80人で、これを超える規模の受け入れは難しい状況でございます。受け入れ家庭が減少しているのは、高齢になり受け入れが難しくなった、あるいは家庭内で介護が必要になったということが主な理由でございます。 そのような中、本市の対応といたしましては、平成26年度から錦総合支所地域振興課内に体験交流推進班を設置し、やましろ体験交流協議会をサポートしているところでございます。 具体的には、受け入れ家庭や体験受け入れ団体等を訪問し、状況を把握するとともに、新たな受け入れ家庭の情報収集や体験メニューの掘り起こしなどの支援を行っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  受け入れできない状況となってきているのが高齢化というのは承知いたしました。 そういった意味で、今、錦町で行われていると思うんですけれども、そこへもっと受け入れ地域拡大も視野に入れて、受け入れ家庭の体験料を上げるなど、そういったところで協力を得られる可能性も十分あると思うのですけれども、その手段としてクラウドファンディングなどはいかがなのでしょうか。 ◎錦総合支所長(沖晋也君)  先ほど述べました課題につきましては、体験料を上げるということが直接的な解決につながるとはちょっと言い切れないところはございますが、今後事業を推進していく中で、議員御提案のクラウドファンディングは、有効な手段となる可能性もあるのではないかというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  そういった民泊事業以外でもクラウドファンディングの用途は多岐にわたると思います。地域おこし協力隊の4人中3人が岩国市に定住してくださっているというような現状も踏まえまして、任期を終えた方も引き続きすばらしいアイデアがあれば、そういったクラウドファンディングを活用して岩国市を盛り上げてもらえるのではないかと思っております。 そういったところで、本市として今後のクラウドファンディングの考え方について、再度お伺いいたします。 ◎総務部長(高田昭彦君)  クラウドファンディングにつきましては、ふるさと納税に似たところがありますけれど、本市におきましては、ふるさと応援基金を活用して事業を実施する場合、まちづくり実施計画に掲載した事業の中から予算計上して事業を実施するというふうにやっておりますが、このことにつきましては、クラウドファンディングによる事業実施についても同様となります。 市が実施する事業につきましては、クラウドファンディングという形よりも、ふるさと応援基金につきましては全ての事業に充てることができますので、現時点では、まちづくり実施計画に要求して、今のやり方で事業を実施していくということは考えております。 また、個人、団体、そうした方々が、ガバメントクラウドファンディングを利用して事業を実施したいということがあった場合には、当該事業は当然ながら、やはり個人の利益を上げるものではなくて、個人や団体が地域活性化に資する目的で行うもので、自分たちの資金だけでは実施が難しく、幅広く資金を求めたいという思いがあって、また多数の方から賛同が得られる事業でなければならないというふうに考えております。 そうした事業でありましたら、事業実施においてクラウドファンディングにより資金を調達し、市が、事業を行うものに補助することができると思いますので、今後、クラウドファンディングにより資金を集めて実施することがふさわしい事業、そうした提案がありましたら、活用していきたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  ふるさと納税というところで、岩国市は今、ふるさとチョイスを使われています。ガバメントクラウドファンディングの仕組みを持っている会社ですので、すぐにでも対応可能かなと存じます。 今年度は、活動を自粛されておられますけれども、本市の青年会議所だったり商工会青年部など、活発に行動されておりますし、直近で需要があるかどうかは別としても、そのような体制づくりをしておくべきだと考えますので、引き続きいつでも対応可能な体制でいていただければなと思います。 最後に、装港小学校講堂の改築についてお伺いいたします。 まず、岩国市学校施設長寿命化計画についてですけれども、内容を見ても築年数などの客観的事実や優先度について記載されていますけれども、具体的にどの学校から取りかかるのか――結果、市としての優先度などについては記載されておりません。そろそろ来年の予算を作成する時期だと思うんですけれども、来年に大規模改修する施設はあるのでしょうか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  長寿命化計画に従って事業を進めたいと考えておりますが、やはり財源も必要になってきますので、そのあたりの調整を今、しているところであります。 現段階でどこができるというのは、申しわけありませんが、この場でお示しすることはできません。申しわけありません。 ◆20番(瀬村尚央君)  この場では申し上げられないということなんですけれども、私が議員になる以前から、装港小学校の講堂についてはたびたび議会にも取り上げられています。先ほども述べましたとおり客観的事実から述べますけれども、やはり市内で優先すべき学校は、ひがし保育園などもとても古いんですけれども、やはり灘小学校の講堂、それと装港小学校だと思っております。 そのため、もちろんほかの学校よりも早く建てかえてほしいという気持ちはあるんですけれども、まずは、ほかの学校よりも優先的に方針だけでも決めていただくことは可能でしょうか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  優先度の高い施設というのは、議員御案内のとおりでありますので、それに向けて、徐々に地域のほうにどういうふうに入ったらいいかとか、ちょっと校長あたりとは今から調整を図っていきたいというふうに考えています。その実施時期はいつになるというのはなかなか申し上げられませんが、そういう動きはしていきたいというふうに考えております。 ◆20番(瀬村尚央君)  昨日、10番議員の質問時に、一般的な小・中一貫教育のメリットについて答弁されておられ、東小・中学校におきましては、小・中ギャップの解消だったり、小・中学生が同じ施設にいられることによるメリットについて答弁されておられました。こちらについては、装港小学校は施設分離型となっておりまして、そのメリットを生かせないのではないかと思います。また、私も装港小学校の学校運営協議会の一員として参加させていただいておりまして、その保護者のアンケートなどでも、小・中一貫教育のメリットについてわかっていないという、そういった結果が多数見られました。 そういったところで、装港小学校における小・中一貫教育のメリットについて、明確にお答えください。 ◎教育長(守山敏晴君)  今、お話を聞いて、やはり生徒や保護者のほうに小・中一貫のメリットが理解されていないということは、まだまだ私たちの発信不足だなということを感じております。 きのうも言いましたように、小・中一貫と小・中連携の違いというのは、目標を定めてカリキュラムをそろえながら、いろんなことにつながっていこうというところにあります。 今、装港小学校につきましては、校舎は離れておりますけれども、今言いましたように、目指す子供像を統一して、カリキュラムをそろえているということです。それによって、例えば今、東小・中学校の場合は、学びの部会、こころの部会、からだの部会、つながりの部会というのがあります。例えば、学びの部会におきましては、中学生が学習の成果を小学生に発表したり――これは各小学校区に卒業生がおりますから、行って発表したり、または、小学校の夏休みの学習会に、中学校からその小学校の卒業生が行って学習会の講師を務めたり、または、こころの部会では、小学校区で小学生と中学生と地域の方が一緒に挨拶運動をしたり、また、無言清掃の仕方を中学生が小学生に教えたりということがあります。また、からだの部会では、いろんな行事とか、または避難訓練、引き渡しを小・中合同で行ったり、つながりの部会では、一緒に小学校が中学校のオープンスクール――3校の小学生が中学生と一緒に授業を受けるといったこともあります。また、今、東中学校の先生が、装港小学校や小瀬小学校にも出向いて、例えば数学のT2として算数の授業に入って、中学校ではこのようにして出すんだよということを授業したりということもあります。 そういったことが全て小・中一貫の中で行っているということで、これはなかなか、これまで小・中一貫でやっていなかったら、それぞれの学校でやっておりますから、そういうつながりがないわけでありますので、これが小・中一貫のよさというところと捉えております。 また、これからそういったことが子供たちにも保護者にも伝わるように、これから私たちも発信していこうと思っております。 ◆20番(瀬村尚央君)  今、「こころ」「からだ」、そういったところで分けてお聞かせいただいたんですけれども、「こころ」の観点でいうと、装港小学校出身の中学生が、装港小学校の児童たちにそういった勉強を教えるというのは、今までも寺子屋というような活動をしておりまして、そういうこともやっていましたし、一方で、「からだ」でいうと、避難訓練を一緒にやるというところだったんですけれども、それは装港小学校の生徒も東中学校の生徒と一緒に避難訓練をするというような形なんですか。 ◎教育長(守山敏晴君)  いろんな場面がありますけれども、中学生が小学校に行って引き渡しの訓練に一緒に参加したり、いろんなやり方を行いながら、今、カリキュラムをそろえる中で学校行事をそろえて、これは一緒にできるなということを取り組みながら、またその反省点があったら改善しながら取り組んでおります。いろんな改善点がある中で、毎年行事が行われているということであります。 ◆20番(瀬村尚央君)  東小・中学校は施設が一体型になったので、その小・中一貫のメリットは最大限に生かせると思うんですけれども、やはりその小・中ギャップというところは、装港小学校の児童からすると、より一層広がるのではないかというような懸念は、やはり10番議員もおっしゃっておられたんですけれども、そういったところの対応はしっかりとしていただきたいと思っております。 それで、今回の答弁で適正規模・適正配置というような言葉が非常に出たんですけれども、その基本方針との整合性を鑑みながら装港小学校の取り扱いについて考えていくというようなところだったんですけれども、具体的にどういう意味なのかお聞かせください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  平成30年度と令和元年度で学校施設長寿命化計画を策定いたしましたが、この基本になっている部分が、適正規模・適正配置の考え方であります。これについては、文部科学省が示しているクラスの数、子供たちの数だとか、そういうものによって適正な教育ができるというふうな考え方を、岩国市においても準用して――一部ちょっと違うところもありますが、考え方を整えているところでありまして、その考え方によって、装港小学校の場合は、検討する学校ということになっております。 そういう検討するというのは、その適正規模に持っていくか、それともそのまま置いておくかというところを検討しないといけないということなので、適正規模・適正配置の考え方をしっかり踏まえた上で、今後のことも協議していきたいということで、今回の答弁をさせていただいております。 ◆20番(瀬村尚央君)  前回、1年半前ぐらいになるんですけれども、12月定例会のときに一般質問をさせていただいたんですけれども、その当時は装港小学校は存続させていく方針ではあるということとともに、教育委員会としては、長寿命化計画を策定し、基本構想をつくり、装港小学校の改築に臨んでいきたいと言っておられたんですけれども、今回の質問で、急にまた適正規模・適正配置の発言をされたんですけれども、それが変わった要因が何かあればお聞かせください。 ◎教育次長(三浦成寿君)  変わった要因といいますか、こういう考え方を基本に、ぜひ地域の皆様とよく話し合いをしたいということから、そういうふうな答弁をさせていただいたということで、特に変わった要因などはございません。 当時と比べて、学校施設長寿命化計画が策定されたこと、それから東小・中学校が新たに建設されたというようなことは、以前とは変わった要因ではありますが、いずれにしましても、保護者の皆さん、それから地域の皆さんの御意見をしっかりお聞きしたいということでありますので、よろしくお願いいたします。 ◆20番(瀬村尚央君)  今は、その変わった外的要因として東小・中学校を挙げられたんですけれども、私が以前質問をさせていただいたときにも、東小・中学校の工事は既に着工していて、完成することはわかっていたので、それが理由にはなり得ないと私は考えております。 一方で、別のテーマで申し上げるんですけれども、現在、装港地区では、小学校や自治会、また社協などに説明して、総合型地域スポーツクラブといったものを立ち上げようとしております。 その総合型地域スポーツクラブの特徴として、活動拠点となるスポーツ施設を持ち、定期的・継続的なスポーツ活動を行うことができるとあります。その場所が、僕たち装港地区の人にとっては講堂です。 改築に関しては、やはりその地域住民と話し合いながら進めていくというようなことだったんですけれども、仮に統廃合させる形になったとしたら、こちらとの整合性はどう考えておられますか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  学校施設でありますので、学校教育の場ではあります。しかしながら、その地域の方とも密接に関連してその学校施設が存在しているという事実もありますので、そのあたりも十分に今後の方針に生かしていきたいというふうに考えています。 そのこともありますので、保護者だけの御意見ではなくて、地域の方の御意見もしっかりお聞きして方針を出していくということでありますので、よろしくお願いします。 ◆20番(瀬村尚央君)  何度も繰り返しになるんですけれども、装港小学校の講堂の話というのは、以前から何年にもわたって議題に上がっていると思うんですけれども、そういったところで、この何年もの間に地域住民との打ち合わせというのは、されてこられなかったんでしょうか。 ◎教育次長(三浦成寿君)  10年ぐらい前に地域に赴いて御意見をお聞きしたということは聞いておりますが、それ以降、教育委員会として地域に入っていったということは現在のところありません。 それは、公共施設等総合管理計画だとか、その個別計画が長寿命化計画になるわけなんですが、そういう計画をしっかりつくって、それから地域に入るということで、少し時間があいてしまったというところは反省すべきことだとは思いますが、今後、できるだけ早い段階で、地域のほうに入っていきたいというふうに考えております。(発言する者あり)
    ◆20番(瀬村尚央君)  やはり、10年間もあると、保護者や地域の人たちの考えも変わってしまいますし、やはり、計画というのは策定して、それに向けて達成すべく行っていくものなので、そういった方針を早く決めて、早急に計画を練って、ぶれることなくそれに向けてやっていただきたいと思っております。 私も装港が地元なんですけれども、やはり岩国市議会議員としてこの場に立たさせていただいておりますので、市にとっての利益をもちろん優先するつもりであります。 そういったところで、東小・中学校があんなに立派できれいになって、この次に装港小学校を建てかえるよと言ったら、やはりほかの地域の人たちからはすごく反発があると思います。でも、やはり客観的に、先ほど申し上げたとおり、灘小学校と装港小学校が古いのは事実なので、同じ中学校区だから、東小・中学校はきれいになったから、適正規模・適正配置で統合を進めていくというような安易な考えはやめていただいて、先ほど教育次長がおっしゃったとおり、実際に今使っているのは子供なので、やはり私が存続させたいと言っても、実際に通っている子供、またその保護者がもしかしたら東小学校に行きたいと言っている可能性もあります。私も地域の人たちからは存続させてほしいと伺っていますけれども、保護者の人たちからはそういった意見というのはなかなか聞く場がなくて聞けていません。 というところで、私もやはり装港小学校の卒業生として、装港小学校に誇りは持っていますけれども、今の子供たちやその保護者が、東小・中学校に行きたいと言うのならば、私は、統廃合を進める、またそれに協力させていただきますし、一方で、今の子供たちやその保護者が、装港小学校であり続けたいと言うのならば、私は全力でこの建てかえを進めてまいる所存であります。 だから、いま一度申し上げますけれども、やはり教育委員会には新型コロナウイルス対策を十分にした上で、保護者を含めて地域の人と議論ができる場を早急に設けて対応していただくように強く申し上げるんですけれども、そちらについてはいかがでしょうか。 ◎教育長(守山敏晴君)  最初に言いましたように、また、今言われましたように、講堂だけではなくて、校舎を含めた全体計画として、また近隣の市が保有する公共施設との調整を図りながら、今、協議しておりますので、その後また保護者や地元関係者、関係機関との意見交換を行うということで進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。(発言する者あり) ◆20番(瀬村尚央君)  今の教育長の言葉を信じさせていただきますし、やはりその言葉どおり、協議の場というのは、ほかの学校よりも優先的に行っていただくよう約束していただいて、私の一般質問を終わります。 ○議長(藤本泰也君)  以上で、20番 瀬村尚央君の一般質問を終了いたします。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明9月11日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藤本泰也君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後4時59分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  藤 本 泰 也                         岩国市議会副議長 片 岡 勝 則                         岩国市議会議員  植 野 正 則                         岩国市議会議員  片 山 原 司                         岩国市議会議員  河 合 伸 治...